この事例は、機械の下に白いマットを敷き、抜きカスや油を受け止めるようにした清掃・清潔事例で、専門家評価はBランク(46点)。片付けの時間が減り、動作のムダが改善された。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清掃・清潔 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 設備(機械の周り) |
| 専門家評価 | Bランク(46点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 抜きカスや油が散乱しなくなり、片付けの時間が減って動作のムダが改善された |
改善前の状態(Before)
生産後に、抜きカスや油が機械の周りに直接落ちて、散乱していました。そのため、生産が終わるたびの片付けが大変な状態でした。

改善内容(After)
まず機械の周りを清掃し、そのうえで機械の下に白いマットを敷きました。落ちてくる抜きカスや油をマットで受け止めることで、床に散乱しなくなりました。その結果、片付けの時間が減り、動作のムダが改善されました。

専門家コメント
生産後に抜きカスや油が機械の周りに直接落ちて散乱していたが、機械の下に白いマットを敷き、抜きカスや油を受け止めるようにした改善ですね。
これにより、抜きカスや油が散乱することなく、作業環境が清潔に保たれるようになりました。また、清掃時間の短縮にもつながり、とても素晴らしい改善です。この問題に気づき、解決してくれたことに感謝します。
この改善は5Sの「清掃」と「清潔」に該当します。定期的に清掃し、常に清潔な状態を保つことが目的です。
そして次に考えていただきたいのは、マットの定期的な交換や清掃のルール設定です。また、他の機械の周りでも同様の改善ができるかどうかを検討し、より清潔な作業環境を維持できるようにしましょう。
次なる改善報告を楽しみにしています。引き続き素晴らしい取り組みを期待しています。
5S改善評価:合計46点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 11点 |
| (2)改善の独自性 | C | 8点 |
| (3)改善の難易度 | C | 9点 |
| (4)清潔レベル | B | 11点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 7点 |
| 合計 | B | 46点 |
(1)成果の大きさ:B(11点)
理由:生産のたびに発生していた、抜きカスと油の散乱を止め、片付けの時間と動作のムダを減らした。毎回の作業に効く成果だが、減った時間の数値は示されていない。「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:C(8点)
理由:機械の下にマットを敷いて落下物を受け止める方法は、多くの現場で使われている手法。抜きカスと油の両方を一度に受け止める点は理にかなっている。「よく似たタイプが多い改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(9点)
理由:機械の周りを清掃し、下にマットを敷くという作業で、大きな加工は伴わない。ただし、清掃してから敷く手順を踏んでいる。所要時間の記載はない。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(11点)
理由:抜きカスや油をマットで受け止め、床に散乱しない状態を作った。一方で、落ちること自体は続いており、発生源は抑えられていない。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(7点)
理由:マットの交換時期や清掃のルールは、まだ決まっていない。専門家も、次の課題として交換・清掃のルール設定を挙げている。「ルール未整備の改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
生産のたびに散らかり、そのたびに片付ける。多くの現場で「仕方がない」とされがちな状態に、自分から手を打った改善です。特に次の3点を、しっかり評価したいと思います。
- 「散らかったら片付ける」から「散らからないようにする」へ発想を変えた。片付けを頑張るのではなく、マットで受け止める形にしています
- 先に清掃してから、マットを敷いた。汚れの上に敷くのではなく、きれいな状態を作ってから仕組みを置いています
- 抜きカスと油の両方に効いた。1枚のマットで、固形物と液体の両方の散乱を止めています
あと20点でAランク。習慣と清潔を1段階上げ、効果を数字で示す
合計46点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと20点です。1つの項目だけでは届かないので、伸ばしやすい順に3つの項目を上げていきます。
| 上げ方 | 上げる項目 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | - | 46点 | B |
| マットの交換・清掃のルールを決め、点検まで回す | 習慣 C(7点)→A(16点) | 55点 | B |
| 抜きカスや油の飛び散りを、発生源で抑える | 清潔 B(11点)→A(17点) | 61点 | B |
| 減った片付け時間を測って示す | 成果 B(11点)→A(16点) | 66点 | A |
一番の近道は、専門家の言う「マットの交換や清掃のルール設定」です。習慣(しつけ)は、清潔で見つけた良いやり方を標準化する活動です。交換の目安、清掃の頻度、担当を決めて点検まで回せば、習慣(しつけ)レベルは大きく上がります。あわせて、片付けの時間を改善の前後で測ってみてください。数字で示せれば、成果の評価を上げる根拠になります。
「マットが汚れたら片付ける」から、「汚れが広がらない」仕組みへ
マットで受け止める方法は、床の散乱を防ぎます。ただ、マットそのものは汚れていきます。汚れがたまってから交換する、油がしみ出してから気づく、という形のままだと、片付けの場所が床からマットに移っただけの「後追い」になります。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて見る」に頼らず、交換時期や汚れの広がりが自然に分かる形にしていきます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| マットの交換が遅れ、油がしみ出す | (例)交換の目安(汚れの状態や日数)を決めて、機械の近くに表示する |
| マットに油がたまり、足元が滑りやすくなる | (例)マットの点検を日常点検の項目に入れる。滑りやすさなど安全に関わる点は、安全の担当者と確認する |
| 抜きカスや油がマットの外まで飛び散る | (例)発生源の近くに受け皿や飛散を抑える囲いを付ける。設備に関わるため、設備の担当者と確認しながら進める |
| 他の機械では同じ散乱が続いている | (例)同じように抜きカスや油が出る機械を洗い出し、同じ手順で展開する |
今回の改善を1台で終わらせず職場全体に広げていけば、清潔・習慣の両方のレベルが上がり、Aランクが見えてきます。
関連する5S活動の事例
同じ工場の清潔に関する、Aランクの事例です。



