この事例は、しゃがんで運んでいた台車に腰高のハンドルを取り付けた整頓事例で、専門家評価はBランク(49点)。立った姿勢で押し引きでき、移動がとても楽になった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓(動作のムダの削減) |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(台車) |
| 専門家評価 | Bランク(49点。Bは46〜65点) |
| 効果 | しゃがまずに、立った姿勢でハンドルを握って押したり引いたりできるようになり、とても楽に移動できるようになった |
改善前の状態(Before)
この職場では、台車をしゃがんだ姿勢で運んでいました。台車を運ぶのが重く、疲れるという状態です。しゃがむ動作は、作業そのものではなく、作業のために体を合わせているムダな動作です。

改善内容(After)
台車に、腰の高さのハンドルを取り付けました。これで、しゃがまずに立った姿勢のまま、ハンドルを握って台車を押したり引いたりできるようになりました。結果として、「重いし疲れる」と感じていた台車の移動が、とても楽になりました。

専門家コメント
これまでしゃがんで台車を運んでいたところを、この台車に腰高のハンドルを取り付けることによって、立った姿勢でハンドルを握って押したり引いたりできるようにした改善ですね!
この改善によって作業者の負担が大幅に軽減され、より効率的に作業を行うことができるようになりました。作業環境の安全性も向上し、素晴らしい取り組みです。気づきと改善、ありがとうございます。
この改善をきっかけに、さらなる作業効率の向上を目指して、次の報告書を待っています。素晴らしい取り組みを今後も続けてください。
5S改善評価:合計49点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 14点 |
| (2)改善の独自性 | C | 9点 |
| (3)改善の難易度 | C | 9点 |
| (4)清潔レベル | B | 11点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 49点 |
(1)成果の大きさ:A(14点)
理由:しゃがんで運んでいた台車を、立った姿勢で押し引きできるようにし、「重いし疲れる」状態から「とても楽に移動できる」状態に変えた。専門家も、作業者の負担が大幅に軽減され、安全性も向上したと評価している。毎日の動作に効く改善だが、時間短縮などの数値は改善報告に記載がないため、帯の下側とした。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:C(9点)
理由:台車にハンドルを付けて押しやすくする発想は、運搬具の改善として例が多い。一方で、「しゃがんで運ぶのは当たり前」と思われがちな動作に目を向け、負担そのものを問題として取り上げた気づきは評価できる。「よく似たタイプが多い改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(9点)
理由:既存の台車に腰高のハンドルを取り付けた改善。ハンドルの材料や取り付け方法、かかった時間は改善報告に記載がないため、根拠が少ない分、帯の上側には置かなかった。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(11点)
理由:台車の形を変えたことで、しゃがんで運ぶという無理な姿勢が、構造として起きにくくなった。ただし、ハンドルのゆるみや破損を点検するルールはまだなく、専門家も点検・メンテナンスの重要性を挙げている。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:改善は1台の台車に対するもので、他の台車への展開や、点検・使い方のルールは改善報告に記載がない。専門家も、安全に使える状態を維持するためのルールを設定するよう求めている。「ルール未整備」の段階と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計49点のこの事例は、Bランクの入口にいる改善です。点数以上に、現場の改善として大切な要素がそろっています。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 「当たり前の動作」に気づいた。しゃがんで台車を運ぶことは、続けているうちに誰も疑わなくなりがちです。「重いし疲れる」という実感を、改善のきっかけにできています
- 人ではなく、道具を変えた。「頑張って運ぶ」「気をつけて運ぶ」に頼らず、ハンドルという形で、無理な姿勢そのものをなくしています
- 負担の軽さと安全性の両方に効いた。専門家も、作業者の負担が大幅に軽減され、作業環境の安全性も向上したと評価しています
生産性の向上は、こうした現場の人の気づきから始まります。
あと17点でAランク。習慣と清潔を段階的に上げる
合計49点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと17点です。1つの項目を上げるだけでは届かないため、専門家のアドバイスに沿って、順番に積み上げていきます。
- 習慣(しつけ):ハンドルの点検・メンテナンスのルールを決め、使う人に周知し、点検まで続ける(C6点→A16点で+10点)
- 清潔:ゆるみや破損が起きる前に気づける仕組みを作る(B11点→A16点で+5点)
- 成果:他の台車や作業道具にも同じ改善を広げる(A14点→A16点で+2点)
| 上げ方 | 習慣 | 清潔 | 成果 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(6点) | B(11点) | A(14点) | 49点 | B |
| 習慣をAに | A(16点) | B(11点) | A(14点) | 59点 | B |
| +清潔をAに | A(16点) | A(16点) | A(14点) | 64点 | B |
| +他の台車へ展開 | A(16点) | A(16点) | A(16点) | 66点 | A |
「ハンドルのゆるみ・破損」を、起きる前に防ぐ
ハンドルは、付けて終わりではありません。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。ハンドルがゆるんだり壊れたりしてから直すのは「後追い」です。使い続けるうちに起こりうる不具合を先に考え、起きない形にしておくのが「未然防止」です。専門家のアドバイスをもとに、次のような仕組みが考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| ハンドルの取り付け部がゆるむ | (例)使用頻度に応じた点検日を決め、点検項目をチェック表にする |
| 破損したまま使い続けてしまう | (例)交換・修理の基準を決め、異常に気づいたときの連絡先を台車に表示する |
| 他の台車では、まだしゃがんで運んでいる | (例)同じ型の台車を洗い出し、同じハンドルを取り付ける |
| 腰や背中に負担のかかる作業が、他にも残っている | (例)しゃがむ・かがむ動作のある作業を一覧にして、順に見直す |
専門家も、他の台車や作業道具への展開と、常に安全に使える状態を維持するための点検・メンテナンスのルール設定を挙げています。ハンドルの強度や取り付け方法など、安全に関わる部分は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。
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