この事例は、製品洗浄場の上にある土手を清掃し、落ち葉が製品に落ちるのを防いだ清掃事例で、専門家評価はBランク(49点)。製品の拭き取りや取り除きの手間がなくなった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清掃 |
| 改善場所 | 建屋外 |
| 改善対象 | 工場上部(製品洗浄場の上の土手) |
| 専門家評価 | Bランク(49点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 落ち葉が製品に付かなくなり、拭き取り・取り除きがなくなった。手持ちと動作のムダが改善された |
改善前の状態(Before)
製品洗浄場の上に、枯れ葉や落ち葉がたまっていました。それが風で舞い、洗浄場の製品に落ちてしまいます。そのたびに、製品に付いた葉を払ったり拭き取ったりする必要があり、作業の手を止めて時間を取られていました。
製品そのものに汚れが付くため、見過ごせば品質にも関わります。現場では、落ちてきた葉をその都度取り除くことで対応していました。

改善内容(After)
製品に落ちた葉を取り除くのではなく、葉が落ちてくる「上の場所」を清掃しました。洗浄場の上から枯れ葉や落ち葉がなくなったことで、製品に葉が落ちてこなくなりました。
その結果、製品の拭き取りや取り除きの作業がなくなりました。葉を払うために手を止めて待つ「手持ちのムダ」と、払う・拭くという「動作のムダ」の両方が改善されています。

専門家コメント
製品洗浄場の上にある枯葉や落ち葉が風で舞って製品に落ちてしまい、その取り除くために手間と時間がとられていた状況を、上の場所の清掃を行うことで製品への付着を防ぎ、拭き取りや取り除きの手間を無くすことに成功した改善事例ですね。
単に製品の上に落ちた枯葉や落ち葉を取り除くのではなく、原因となった上の場所を清掃することで、未然に汚れを防ぐ素晴らしい改善だと感じました。ありがとうございます。
もう一歩踏み込むとしたら、上の場所の清掃の頻度や方法をルール化して、葉っぱが落ちてきてから清掃するのではなく、葉っぱが落ちてこない状況を作り出してみてはいかがでしょうか。
さらに、もし可能であれば枯葉や落ち葉の発生源を特定し、発生を抑制することで、清掃の頻度を減らすことができる可能性もあるかと思います。
引き続き、素晴らしい改善を続けてくださいね。あなたの次なる報告を楽しみにしています。
5S改善評価:合計49点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 13点 |
| (2)改善の独自性 | B | 11点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | B | 11点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 49点 |
(1)成果の大きさ:B(13点)
理由:製品の拭き取り・取り除きの作業がなくなり、手持ちと動作のムダが改善された。製品そのものへの汚れの付着を防いだ点は、品質の面でも意味がある。短縮した時間の数値は改善報告に記載がないため、帯の上側にとどめ、「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(11点)
理由:落ちた葉を取り除くのではなく、葉が落ちてくる上の場所に目を向けた。製品ではなく原因の場所を清掃するという発想は、専門家も評価している。一方、清掃という手段自体は一般的なため、「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:建屋外の上の場所を清掃した改善。清掃の範囲・方法・所要時間は改善報告に記載がなく、根拠が限られるため、「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(11点)
理由:製品の上で葉を払う「後追い」ではなく、原因の場所を清掃して汚れを未然に防いだ。ただし、葉はまたたまり、風で落ちてくる。清掃の頻度や発生源への対策はまだないため、帯の下側として「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:上の場所の清掃の頻度や方法は、まだルールになっていない。専門家も、次の一歩としてルール化を挙げている。「ルール未整備」の段階のため、帯の下側と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例には、清掃の改善として大切な考え方が詰まっています。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 「落ちた葉」ではなく「落ちてくる場所」を見た。製品の上で葉を払い続けるのではなく、原因になっている洗浄場の上に目を向けました。清掃の対象を一段上流に移した、という点が光ります
- 汚れを未然に防いだ。専門家が「未然に汚れを防ぐ素晴らしい改善」と評価したとおり、汚れてから取る清掃から、汚れない状態をつくる清掃へ進んでいます
- 2つのムダを同時に減らした。拭き取りや取り除きがなくなり、手持ちのムダと動作のムダが改善されました。製品に汚れが付かないことは、品質を守ることにもつながります
「毎回払えば済む」と慣れてしまいがちな作業に、「そもそも、なぜ葉が落ちてくるのか」と問いを立てたこと。これが、この改善の一番の価値です。
あと17点でAランク。清潔と習慣を上げる
合計49点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと17点です。清潔レベルと習慣(しつけ)レベルの2項目を上げると、届く計算になります。習慣(しつけ)は、清潔で見つけた良いやり方を標準化する活動です。清掃の頻度・方法を決めて周知し、点検まで回せば、習慣は6点から16点(A)へ。発生源を特定して葉が落ちてこない状態をつくれば、清潔は11点から18点(S)へ近づきます。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(11点) | C(6点) | 49点 | B |
| 習慣を上げる(頻度・方法のルール化、周知、点検) | B(11点) | A(16点) | 59点 | B |
| 清潔も上げる(発生源の特定・抑制) | S(18点) | A(16点) | 66点 | A |
「葉が落ちてくる」を、起きる前に防ぐ
今回の清掃で、製品の上で葉を払う「後追い」からは一歩抜け出しました。ただ、清掃しても、時間がたてば葉はまたたまります。たまってから清掃するのは、場所が上に移っただけの後追いになりかねません。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。専門家のアドバイスをもとに、次のような仕組みが考えられます(専門家の提案にないものは「例」)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み |
|---|---|
| 葉がまたたまり、風で製品に落ちる | 上の場所の清掃の頻度と方法を決めてルールにする(専門家の提案) |
| 落ち葉の多い時期に、清掃が追いつかない | 季節によって清掃の頻度を変え、点検表で実施を確認する(例) |
| 葉の発生源が分からず、清掃が減らない | 発生源を特定し、発生を抑える(専門家の提案)。枝の手入れなど具体的な方法は(例)として、敷地・安全の担当者と確認する |
| 清掃してもなお、風で葉が洗浄場に入る | 洗浄場の上に、葉が入りにくい覆いを検討する(例)。設備・安全に関わるため、設備・安全の担当者と確認する |
「気をつけて払う」に頼らず、葉が落ちてこない状態を仕組みでつくる。そこまで進めば、清掃の回数そのものも減らせるはずです。土手のような建屋外の清掃は足場に気を配る必要もあるため、作業の安全も含めて、担当者と一緒に決めてください。
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