この事例は、空調機の分電盤に写真とテプラで表示を付けた整頓事例で、専門家評価はAランク(68点)。次の課題は、表示を長く保つ更新ルール。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 設備(分電盤) |
| 改善対象 | 情報(表示) |
| 専門家評価 | Aランク(68点。Aは66〜80点) |
| 効果 | 迷うムダが5秒から4秒に。1日平均1秒短縮×月20日発生で、1カ月あたり20秒(20円)の削減(改善報告の試算) |
| 所要時間 | 30分〜1時間程度の作業(専門家評価より) |
改善前の状態(Before)
改善前は、空調機の分電盤に表示がなく、どちらがどの設備を制御しているのか分かりにくい状態でした。操作するときに迷いが生じていました。

改善内容(After)
扉の表面に写真を貼り、「レーザー・NCT側」「ベンダー側」とテプラで明記しました。写真には透明カバーをかぶせて、汚れを防いでいます。どちらの設備の分電盤か、一目で分かります。

専門家コメント
空調機の分電盤に表示がなく、どちらがどの設備を制御しているか分かりにくく、操作時に迷いが生じていた状態を、扉の表面に写真を貼り付け、さらに「レーザー・NCT側」「ベンダー側」とテプラで明確に表示し、写真には透明カバーをかぶせて汚れ防止も施した、とても丁寧で分かりやすい改善ですね。
誰が見ても一目で判断できるようになったことで、操作ミスや無駄な確認作業がなくなり、非常に実用的で効果的な取り組みです。ありがとうございます。
このような「見える化」「判断の迷いゼロ」は、5Sの「整頓」と「清潔」に深く関わる考え方で、設備の安定稼働と安全性向上にもつながります。
5S改善評価:合計68点(Aランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | A | 16点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | B | 12点 |
| 合計 | A | 68点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:分電盤の操作時の迷いがなくなり、操作ミスや確認作業のムダを削減できた効果は大きい。設備停止や安全リスクを防げる点でも、現場全体にプラスの成果。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:「表示+写真+カバー」の組み合わせは、一般的な表示改善より丁寧で工夫が見られる。ただし、発想自体は標準的な整頓方法に近い。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:写真撮影・印刷・テプラ作成・透明カバー加工と、30分〜1時間程度の作業。簡単ではないが、それほど大きな負担もないレベル。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:A(16点)
理由:透明カバーを使って汚れ防止の工夫がされており、表示の劣化リスクが軽減されている点は高評価。ただし、点検・更新ルールを明確にすれば、Sに近づける。「発生源を抑え、再発しにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:B(12点)
理由:誰でも迷わず操作できる仕組みはできているが、表示の更新や定期点検がルール化されていないと、長期的な維持に課題が残る。標準化や周知を進めれば、A以上になる。「皆が守るべき標準化まで進めた改善」と評価する。
この事例を自社で真似する手順
以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。
- 分電盤や操作盤で、どれがどの設備を制御しているか迷う箇所がないか確認する
- 制御する設備の写真を撮って印刷し、扉の表面に貼る位置を決める。扉への貼り付けが設備の運用に影響しないか、設備・電気の担当者と確認する
- 設備の名前を、テプラなどで分かりやすく表示する
- 写真に透明カバーをかけて、汚れや劣化を防ぐ
- 操作する方に見てもらい、迷わず判断できるか確かめる
Sランクに近づくための次の一歩
表示は丁寧にできました。次に考えたいのは、この表示や写真が長く正しく機能し続ける仕組みです。清潔レベルで上位を取るには、汚れや配置換えで表示が古くなってから気づくのではなく、古くならない仕組みを先に作る「未然防止」の視点が要ります。
- 写真が汚れたときの交換ルールを決める
- 設備の配置を変えるときの、表示の更新手順をマニュアルにする
- 定期的な表示チェックのタイミングを決める
「気づいた人が直す」に頼らず、決めた手順とタイミングで表示が更新される状態を作りましょう。他の分電盤や制御盤にも横展開して標準化すれば、職場全体の整備レベルが上がります。
関連する5S活動の事例
同じ設備まわりの、見える化に関する事例です。



