この事例は、治具の専用ホルダーと調整ゲージを作って保管場所を決めた整頓事例で、専門家評価はBランク(64点)。あと2点で、Aランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 治具/刃具 |
| 専門家評価 | Bランク(64点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 必要なときにすぐ治具を取れるようになった。調整ゲージで品質を確保でき、右側にあった専用の台車も不要になった |
改善前の状態(Before)
4mm厚刃用のコードマーキングツールには、保管方法の見直しが必要でした。治具のそばの右側には専用の台車が置かれ、踏み込み深さを調整するためのゲージもない状態でした。

改善内容(After)
4mm厚刃用コードマーキングツールの専用ホルダーを作成し、内ギザ・外ギザ・調整ゲージの保管場所を決めました。あわせて、踏み込み深さを調整するためのゲージも作りました。

専門家コメント
専用治具の置き場所の設置と、調整用ゲージも作成した改善です。
これによって、必要時にスッと治具を取れるようになった時間短縮に加え、調整ゲージ活用による品質の確保、さらには右側に設置してあった専用の台車が必要なくなったことも大きな成果だと考えます。
発想と合理性の追求を同時に進めた、レベルの高い改善です。わかりやすい表示によって間違えることも少ないので、標準化レベルも高いと言えますよね。
ここまで進められると、あとは清掃=ピカピカな状態に維持したくなる美しさが欲しくなります。さらにこういった考え方でもって多くの場所を同様なレベルにできれば、おそらくこの職場の効率性は飛躍的に高まるかと想像します。ぜひ次は横展開を進めてください。
5S改善評価:合計64点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | B | 12点 |
| 合計 | B | 64点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:治具をすぐ取れる時間短縮に加え、調整ゲージによる品質の確保、専用の台車が不要になったことまで成果が広がっている。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:専用ホルダーと保管場所をつくる方法は、整頓でよく使われる手法。ただし、置き場だけで終わらず、踏み込み深さを合わせる調整ゲージまで作った点は工夫が感じられる。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:専用ホルダーと調整ゲージの作成には、寸法の確認や加工の手間がかかったと考えられる。大きな工数は想定されないため、「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:わかりやすい表示によって間違えることが少なく、同じ状況なら乱れが起きにくい。「同じ状況なら再発が起きにくい」状態と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:B(12点)
理由:わかりやすい表示で、誰でも同じように戻せる標準化まで進んでいる。一方で、周知や点検のルールは改善報告に記載がない。「皆が守るべき標準化まで進めた」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計64点のこの事例は、Bランクの上位にいます。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 置き場づくりと品質の確保を一緒に進めた。治具をスッと取れるだけでなく、調整ゲージで踏み込み深さを合わせられるようにしました
- 台車が不要になった。右側にあった専用の台車が必要なくなったことも、専門家が大きな成果と評価しています
- わかりやすい表示で、間違えにくい。専門家も、標準化レベルが高いと評価しています
あと2点でAランク。習慣を1段階上げる
合計64点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと2点です。習慣(しつけ)レベルをB(12点)からA(16点)に上げると+4点で、合計は68点になり、Aランクに届きます。清潔レベルをBからAに上げても、同じく68点です。
| 上げ方 | 該当項目 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | 習慣B(12点)/清潔B(12点) | 64点 | B |
| 習慣を1段階上げる | 習慣A(16点) | 68点 | A |
| 清潔を1段階上げる | 清潔A(16点) | 68点 | A |
専門家が挙げた「横展開」は、周知と点検まで標準化を広げる動きそのものです。他の治具や他の場所にも、同じ形で広げていくことが、習慣レベルを上げる近道になります。
「戻し忘れ」と「ゲージのずれ」を、起きる前に防ぐ
専門家は、「清掃=ピカピカな状態に維持したくなる」と次の姿を示しています。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。治具の紛失や、ゲージのずれで品質が落ちる、という「後追い」を避けるために、次のような仕組みを考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 使った治具が戻されず、探すムダが出る | ホルダーの各位置に品名を表示し、空いた場所で不足に気づけるようにする |
| 調整ゲージが傷み、踏み込み深さがずれる | ゲージの確認日と交換の目安を決め、点検を標準化する |
| ホルダーに切りくずや汚れがたまる | 汚れがたまりにくい形を考え、清掃の手順と頻度を決める |
| 他の治具置き場が元の状態のまま | 今回のホルダーを写真付きの標準書にして、他の場所へ展開する |
設備や工具の変更に関わる内容は、担当者と確認しながら進めてください。
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