この事例は、コンプレッサーのドレン処理を手動から自動に変えた清掃事例で、専門家評価はBランク(55点)。1日3回のドレンを抜く作業がなくなった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清掃 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 廃棄物(コンプレッサーのドレン) |
| 専門家評価 | Bランク(55点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 1日3回=60秒かかっていたドレンを抜く作業が、なくなった(改善報告の記載) |
改善前の状態(Before)
コンプレッサーを使うときに必ず必要になるのが、ドレンの処理です。この現場では、ドレンを抜く作業を手動で行っていました。作業は1日3回で、改善報告では「3回/1日=60秒」かかっていたと書かれています。
1回ごとの手間は小さくても、毎日、決まった回数だけ必ず発生する作業です。忙しい日にも、誰かが時間を割いて対応しなければなりませんでした。

改善内容(After)
手動で行っていたドレン処理を、自動で処理する仕組みに変えました。その結果、ドレンを抜く作業そのものがなくなりました。専門家コメントによると、処理したドレンはペール缶に溜まる形になっています。

専門家コメント
コンプレッサーを使用する際に必ず必要となるドレン処理を、今までは手動で実施していたが、それを自動で処理する仕組みを考案した改善事例ですね。
一日3回処理していた手間を無くし、作業効率を格段に向上させる素晴らしい改善事例ですね。素晴らしい改善提案をありがとうございました。
ここから先、さらに考えていただきたいのは、ペール缶に溜まったドレンの処理方法です。写真を見る限り、このペール缶は地面に置いてあるようですが、このまま、ペール缶が満タンになると、20kg超の重さになり、移動が難しくなります。
そこで、このペール缶の下に簡単な台車を敷いておいて、満タンになったときに、すぐに運び出せるような仕組みを考えていただくと、ドレンが溢れるまでおいておく必要もなくなり、また安全面においても安心して使用できるようになります。
一度、検討してみてくださいね。では、あなたのさらなる素晴らしい改善報告を楽しみにしています。
5S改善評価:合計55点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 14点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 9点 |
| (4)清潔レベル | B | 13点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 7点 |
| 合計 | B | 55点 |
(1)成果の大きさ:A(14点)
理由:1日3回=60秒かかっていたドレンを抜く作業が、なくなりました。短縮ではなく作業そのものをなくしており、専門家も「作業効率を格段に向上させる」と評価しています。ただし、効果の数値は1日60秒の記載のみのため、帯の下側に置き、「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:毎日必ず発生する手作業を、「人がやる」から「自動で処理される」に切り替えた発想は、手順を少し楽にする改善より一歩踏み込んでいます。一方で、作業をなくす方向の改善は5S活動の中でも見かける考え方です。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(9点)
理由:自動で処理する仕組みを考案したことは改善報告から分かりますが、仕組みの中身、使った物、かけた時間の記載がありません。根拠が弱いため帯の下側に置き、「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(13点)
理由:ドレン抜きを人の作業に頼らない形にしたため、抜き忘れや、作業する人によるばらつきが起きにくくなりました。一方で、専門家が指摘するとおり、ペール缶に溜まったドレンの処理(満タン時の重さ、溢れ)はまだ仕組みになっていません。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(7点)
理由:改善報告には、ペール缶を空にするタイミングや、自動で処理する仕組みの点検方法など、標準化についての記載がありません。ルール未整備の状態と判断し、「徹底すべきルールの設定がまだの改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計55点のこの事例は、Bランクの中ほどに位置します。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 作業を「楽にする」のではなく「なくした」。1日3回の手作業を、自動で処理する仕組みに置き換えました。毎日続く作業がなくなる効果は、日がたつほど大きくなります
- 人の注意に頼らない形にした。「忘れずに抜く」を頑張るのではなく、仕組みで処理されるようにしています。これは清潔の考え方そのものです
- 「必ず必要な作業」を疑った。コンプレッサーを使う以上、ドレン処理は避けられない作業です。それを当たり前と受け止めず、やり方を変えた視点は、他の定常作業にも使えます
あと11点でAランク。清潔と習慣を1段階ずつ上げる
合計55点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと11点です。1項目だけでは届きにくいため、専門家が挙げた「ペール缶に溜まったドレンの処理」を仕組みにして、清潔と習慣を1段階ずつ上げる道筋が現実的です。
ペール缶の扱い方をルールにして周知すれば、習慣(しつけ)はC(7点)からB(13点)に上がり、合計61点。さらに、溢れや重さの問題が起きる前に防ぐ仕組みまで作れば、清潔はB(13点)からS(18点)に上がり、合計66点でAランクに届きます。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(13点) | C(7点) | 55点 | B |
| 習慣を1段階上げる | B(13点) | B(13点) | 61点 | B |
| さらに清潔を1段階上げる | S(18点) | B(13点) | 66点 | A |
「ペール缶が溢れる・重くて運べない」を、起きる前に防ぐ
ドレン抜きの作業はなくなりましたが、ドレンそのものは毎日ペール缶に溜まり続けます。満タンになってから気づき、溢れたドレンを拭き取る、重い缶を無理に持ち上げる、というのは「後追い」の対応です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて見ておく」に頼らず、構造・表示・手順で、問題が起きない形にします。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み |
|---|---|
| 満タンのペール缶が20kg超になり、移動が難しい | ペール缶の下に簡単な台車を敷き、すぐ運び出せるようにする(専門家の提案) |
| 満タンに気づかず、ドレンが溢れる | (例)缶に「ここまで溜まったら交換」の線を表示し、誰でも交換時期が分かるようにする |
| 誰が、いつ空にするかが決まっていない | (例)交換の担当と頻度を決め、点検表に入れる |
| 自動で処理する仕組みが止まっても気づかない | (例)日常点検の項目に、ドレンが正しく排出されているかの確認を加える |
(例)と書いたものは、この事例に合わせた案です。コンプレッサーなどの設備や、重量物の運搬に関わる変更は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。今回の「作業をなくす」視点に、「溜まった後の処理」までの仕組みが加われば、A〜Sも十分に狙えます。
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同じ工場の、処理作業や運搬の負担を減らした事例です。



