この事例は、手で運んでいたコンベヤー制動器を専用台車で運び、置き場を作業台の下に変えた整頓事例で、専門家評価はBランク(56点)。あと10点で、Aランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 治具/刃具(コンベヤー制動器、運搬用台車) |
| 専門家評価 | Bランク(56点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 用意にかかる時間1分(60秒=60円)。60円×2回/日×5日/月=月600円、年間7,200円の削減(改善報告の試算)。腰など身体への負担も軽くなった |
改善前の状態(Before)
重い治具(コンベヤー制動器)を手で運んでいたため、持ち運びに時間がかかる状態でした。


改善内容(After)
手で運んでいた物を、専用の台車で運ぶようにしました。さらに、使用する作業台の下に置き場所を変えて、効率的に運搬できるようにしました。
用意にかかる時間は1分です。改善報告の試算では、年間7,200円の削減です。

専門家コメント
改善前は重い治具を手で運んでいたので持ち運びに時間がかかる状態でした。そこで手で運んでいた物を専用の台車にて運ぶようにし、さらに使用する作業台の下に置き場所を変えることによって、効率的に運搬できるようにした改善ですね。
まずはこのムダな運搬作業に気づき、効率よく移動できるようにしてくれたこと、本当にありがとうございました。今回の改善で、作業時間の短縮だけでなく、腰など身体への負担軽減にもつながるとても有効な改善になったと思います。
さて次に考えてみてほしいのは、この専用台車の置き場所や使い方を他の人にもすぐわかるようにできないか?という点です。たとえば、「治具運搬用台車」と表示して定置を決め、置き場所にラインを引くことで整頓効果が高まります。5S活動では、「誰が見てもすぐわかる」「モノの乱れが起きない仕組みづくり」が大切です。ぜひその視点で、次なる改善に挑戦してください。あなたからの次回の改善報告も楽しみにしています。
5S改善評価:合計56点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 56点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:重い治具を手で運んでいた状態から、台車による運搬と定置化によって、作業時間短縮・負担軽減・安全性向上という多面的な効果が得られている。作業者にとっての効率だけでなく、ケガや腰痛予防の観点でも大きな成果。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:「重い物は台車で運ぶ」という発想自体は一般的だが、作業台の下を置き場所として有効活用した点には工夫が見られる。台車の導入と置き場の見直しという2つの整頓の視点を組み合わせている。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:専用台車の用意と、作業台下への設置検討には、現場のレイアウト調整や導線確認、時には関係者との協議も必要で、30分〜1時間以上の改善作業と推定される。短時間では終わらない。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:今回の改善は「使いやすく配置した」段階。台車の定置を明示(ラインや表示)、運搬ルールの明文化、保管状態の点検といった“清潔を保つ仕掛け”までは未実施のようだ。これらの導入によって、清潔レベルの向上が期待される。「何かのきっかけで再発する改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:現時点では「改善者が使用するには便利になった状態」であり、誰が使っても同じように戻せるルール化(表示、定置管理、使用後点検など)は未整備の可能性がある。整頓状態の標準化や周知が行われれば、B〜A評価に達する改善。「徹底すべきルールを設定した改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、安全性・効率性・整頓を兼ね備えた好事例です。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- ムダな運搬に気づいた。重い物を手で運ぶことは、当たり前になりやすい作業です。そこに目を向けたことが改善の出発点でした
- 運ぶ道具と置き場を、セットで見直した。専用台車の導入と、作業台の下への置き場変更を組み合わせて、運搬を効率よくしました
- 成果がA(16点)。作業時間の短縮だけでなく、腰など身体への負担軽減、ケガや腰痛の予防にもつながる改善です
あと10点でAランク。清潔をA、習慣をBに上げる
合計56点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと10点です。清潔レベルをC(8点)からA(16点)に上げ、習慣(しつけ)レベルをC(8点)からB(12点)に上げると、合計は68点になり、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(8点) | 56点 | B |
| 清潔だけをAに上げる | A(16点) | C(8点) | 64点 | B |
| 清潔をA、習慣をBに上げる | A(16点) | B(12点) | 68点 | A |
「台車が見つからない」「手運びに戻る」を、起きる前に防ぐ
整理・整頓・清掃は、放っておくとモグラ叩きになりがちです。台車の置き場所が決まっていなければ、台車が別の場所に置かれ、探す時間が生まれたり、また手で運ぶ作業に戻ったりします。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「元の場所に戻すよう気をつける」に頼らず、誰が見ても戻す場所が分かる形にします。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 台車が別の場所に置かれる | 置き場所にラインテープや表示を追加する(専門家のアドバイス) |
| 何の台車か分からない | 「治具運搬用」とラベルで明示する(専門家のアドバイス) |
| 使い方が人によって違う | 使用ルールや戻しルールを標準化する(専門家のアドバイス) |
| 台車の傷みに気づかない | 保管状態の点検を決める(例)。重い治具を載せるため、台車の積載や安全は担当者と確認する |
習慣(しつけ)は、清潔で見つけた良いやり方を標準化する活動です。台車の置き場所と使い方を表示で決め、他の作業者にも共有してください。専門家も、これらにより5SレベルでA〜Sへの到達が現実的になると述べています。
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