この事例は、保険証券のファイルにインデックスと一覧表を付けて探しやすくした整頓事例で、専門家評価はBランク(48点)。たまにしか使わない書類を探す手間を省いた。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整理・整頓 |
| 改善場所 | オフィス |
| 改善対象 | 書類(損害保険関係の保険証券) |
| 専門家評価 | Bランク(48点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 保険証券を探す時間を、1日平均30秒短縮×月間10回発生。1カ月あたり300秒(300円)の削減(改善報告の試算)。保管スペースと探すムダの解消 |
改善前の状態(Before)
損害保険関係の保険証券は、とりあえずファイルに入れておく状態でした。改善報告によると、5年前からの証券が入れ替えられないまま保存されており、保管スペースと探すムダが生じていました。
保険証券は、毎日使う書類ではありません。だからこそ、届いたらひとまずファイルに入れておく、ということが起きやすい書類です。

改善内容(After)
ファイルにインデックスを付けて、取引先の会社ごとに分けて明示しました。さらに一覧表を作成し、どの証券がどこにあるかを閲覧・確認しやすくしました。
インデックスで「どこを開けばよいか」が分かり、一覧表で「何があるか」が分かる。2つを組み合わせたことで、ファイルを最初からめくらなくても、目的の証券にたどり着けるようになりました。

専門家コメント
今まで損害保険関係の保険証書をとりあえずファイルに入れていた状態から、インデックスをつけて取引先会社ごとに明示し、一覧表を作成して閲覧・確認しやすくした事例ですね。
たまにしか使用することのない書類というのは、とりあえずファイルしておけということがよく発生して、後から探す手間がとてもかかるということがよくあります。
その後から探す手間を省いた素晴らしい改善事例ですね。素晴らしい改善をありがとうございました。
5S改善評価:合計48点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | C | 8点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 48点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:改善報告の試算は1カ月あたり300秒だが、たまにしか使わない書類は、探すたびに手間がとてもかかりやすい。その「後から探す手間」を省き、5年前からの証券がたまっていた保管スペースのムダにも手を付けた。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:C(8点)
理由:インデックスで区分し、一覧表で中身を示す方法は、書類の整頓でよく使われる手法。取引先ごとに分けた点は書類の性質に合っているが、「よく似たタイプが多い改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:インデックスの取り付けと一覧表の作成は、特別な道具や加工を必要としない。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:今は探しやすい状態になっている。ただし、新しい証券が届いたときに一覧表とインデックスを直す決まりが見えないため、忙しい時期などをきっかけに「とりあえずファイル」へ戻るおそれがある。「何かのきっかけで再発する」状態と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:一覧表という形はできたが、だれが、いつ更新し、いつ見直すかの標準は、改善報告からは読み取れない。ルールを整えれば、習慣化へ進める段階と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計48点のこの事例は、Bランクに入る改善です。点数だけでは見えにくい良さがあるので、まずそこをしっかり評価したいと思います。
- 「たまにしか使わない書類」に目を向けた。毎日使う物は自然と片付きますが、年に数回しか開かない書類は後回しになりがちです。そこに手を付けたこと自体が、整理・整頓の視点として大切です
- インデックスと一覧表を組み合わせた。インデックスだけでは中身が分からず、一覧表だけでは場所が分かりません。2つをそろえたことで、だれが見ても目的の証券にたどり着ける形になりました
- 成果の大きさがA(16点)。探す時間の短縮に加え、5年分たまっていた保管スペースのムダにも向き合った点が評価されています
あと18点でAランク。清潔と習慣を段階的に上げる
合計48点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと18点です。1段階上げると4点なので、5段階分の上積みが必要です。中心になるのは、清潔レベルと習慣(しつけ)レベルです。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(8点) | 48点 | B |
| 習慣をBに | C(8点) | B(12点) | 52点 | B |
| 清潔と習慣をAに | A(16点) | A(16点) | 64点 | B |
| 清潔をS、習慣をAに | S(20点) | A(16点) | 68点 | A |
清潔をSまで上げるには、乱れが起きてから直すのではなく、乱れが起きない仕組みにすることが必要です。
「とりあえずファイル」に戻るのを、起きる前に防ぐ
清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。ファイルが乱れてから、また時間をかけて並べ直すのは「後追い」です。新しい証券が届いた時点で、自然に正しい場所に収まる流れを作るのが「未然防止」です。「気をつけて整理する」に頼らず、手順と表示で防ぎます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 新しい証券が届き、また「とりあえずファイル」に挟まれる | 証券が届いたら、一覧表に記入してからインデックスの場所に入れる手順を決める(例) |
| 更新された古い証券がたまり、保管スペースを取る | 一覧表に更新時期の欄を設け、更新のたびに古い証券を抜く(例) |
| 一覧表と中身がずれていく | 年に1回など見直しの日を決め、一覧表と中身を突き合わせる(例) |
| 他の書類も同じ「たまにしか使わない」状態のまま | 職場全体を見渡し、同じ状態の書類に同じ方法を展開する |
書類をどれだけの期間残すかは、社内の決まりや担当者と確認しながら進めてください。
専門家も、今後の改善の方向性として横展開を挙げています。たまにしか使わないからこそ整理整頓がおざなりになっている書類は、ご自身の管理する書類だけでなく、職場全体を見渡すと他にも多々存在する可能性があります。今回のような見える化、見せる化に、ぜひチャレンジしてみてください。次なる素晴らしい改善報告を楽しみにお待ちしています。
関連する5S活動の事例
同じオフィスの書類の整理・整頓に関する事例です。



