この事例は、ボルスターのみぞにスクラップが入る問題を鉄板で防いだ清潔事例で、専門家評価はAランク(68点)。次の課題は、鉄板の点検と清掃のルール化。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清潔 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 設備(ボルスター) |
| 専門家評価 | Aランク(68点。Aは66〜80点) |
| 効果 | 1ロットで約5回、1回1分止まっていた機械停止が減少。月3ロット、5分×3ロット=15分=900秒(900円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
コンパウンド加工のときに出るスクラップが、ボルスターのみぞに入り込んでいました。入り込むたびに機械を止める必要があり、1ロットで約5回、1回1分の停止が発生していました。

改善内容(After)
ボルスターのみぞの所に、鉄板をボルトで止めました。スクラップがみぞに入らず、落ちるようになり、機械を止めるムダが減っています。

専門家コメント
コンパウンド作業時にスクラップがボルスターの溝に入り込み、機械停止が必要になるという問題に対し、鉄板を固定してスクラップの侵入を防ぎ、稼働率を向上させた改善ですね。問題の本質に気づき、しっかり対処してくれたこと、本当にありがとうございます。
この改善によって無駄な停止が減り、生産効率や作業の安定性が確実に高まったと思います。
5S改善評価:合計68点(Aランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | S | 20点 |
| (2)改善の独自性 | A | 16点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | A | 68点 |
20+16+12+12+8=68点で、Aランク(66〜80点)です。
(1)成果の大きさ:S(20点)
理由:スクラップの侵入による機械停止が減り、稼働率が大きく改善した。生産効率と安定性の両面で、非常に効果が高い改善と評価する。
(2)改善の独自性:A(16点)
理由:スクラップの侵入防止という課題に、「鉄板を固定する」という具体的な対策を講じた点は発想力がある。完全に独創的ではないものの、現場に即した有効な工夫と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:鉄板の加工と設置には多少の手間や調整が必要だが、作業自体は比較的シンプル。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:スクラップの侵入を防ぐ仕組みで再発は起きにくいが、鉄板自体の清掃や点検が必要。新たにゴミが溜まる箇所や、固定の緩みが懸念されるため、完全防止にはルールづくりが求められる。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:鉄板を設置しただけでは、維持は保証されない。点検ルールや清掃基準を標準化すればAレベルまで高められる。現状は「単発の改善」に近いためC評価。
この事例を自社で真似する手順
以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。
- 機械が止まる回数と1回あたりの時間を記録し、原因(この事例ではスクラップの侵入)を特定する
- 入り込む場所(みぞなど)を、板などでふさげないか検討する。固定方法は、設備や安全の担当者と確認して決める
- 鉄板をボルトで止め、スクラップが落ちるかを確かめる
- 止まる回数が減ったかを、改善前と同じ数え方で確認する
- 新しくゴミが溜まる場所ができていないか、鉄板が緩んでいないかを見る
Sランクに近づくための次の一歩
専門家が次の視点として挙げるのは、この鉄板の設置によって新たにゴミが溜まる場所が生まれていないかです。鉄板の固定が時間とともに緩まないかも、定期的な確認が必要です。清掃や点検のルールもセットで考えると、より清潔で問題のない職場に近づきます。こうした未然防止の視点が、5S活動の要になります。
- 鉄板の固定状態をチェックする点検ルールを決める
- 清掃しやすい形に見直し、溜まりを作らない工夫を加える
- 「点検済み」を見える化する(チェックシートや表示で習慣化)
スクラップが入ってから機械を止める「後追い」を、入らない構造にしたのがこの改善です。緩みや溜まりまで先回りして決めておけば、習慣(しつけ)レベルも上がり、Sランクが見えてきます。
関連する5S活動の事例
設備まわりの不具合の未然防止に関する事例です。



