この事例は、小さく不安定だったタップ機の作業台のベースを大型化した清潔事例で、専門家評価はBランク(64点)。揺れがなくなり精度と効率が上がった。あと2点でAランク。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清潔 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 設備(タップ機の作業台) |
| 専門家評価 | Bランク(64点。Bは46〜65点) |
| 効果 | ベースを大きくしたので台が安定した。作業時間は改善前420秒→改善後180秒(240秒短縮)。1カ月あたり4,800秒(4,800円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
タップ機の作業台は小さく、不安定で揺れていました。そのため作業精度が安定せず、効率も落ちていました。
台の揺れや傾きは、作業する人がどれだけ注意しても、作業台の構造から生まれる問題です。精度が安定しなければ、再作業も発生しやすくなります。

改善内容(After)
作業台のベースを大型化して、安定性を高めました。揺れや傾きがなくなり、作業精度と効率の両方が向上しました。
改善報告の試算では、作業時間が改善前の420秒から改善後の180秒になり、240秒の短縮。1カ月あたり4,800秒(4,800円)の削減です。

専門家コメント
タップ機の作業台が小さく、不安定で揺れていたために作業精度が安定せず、効率も落ちていた状態を、作業台のベースを大型化して安定性を高めたことで、揺れや傾きがなくなり、作業精度と効率の両方を向上させた改善ですね。
こうした作業台そのものの構造を見直す改善は、単なる使い勝手の向上にとどまらず、再作業の削減=品質向上にもつながる効果的な取組みです。まずは現場での違和感に気づき、実行に移してくれたことに感謝します。
5S活動においては、改善の“定着と標準化”が重要なステップです。せっかくの良い改善を「一時的なもの」にせず、“再発しない仕組み”として確実に残していきましょう。
5S改善評価:合計64点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | A | 16点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 64点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:作業台の不安定さにより発生していた揺れや傾きを解消し、作業の安定性が向上したことで、作業精度が向上し、再作業の発生も抑制できた点は明確な成果。特に品質面への効果は大きく評価できるが、対象が一部設備に限定されるため、「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:作業台のベースを大型化するという発想は、設備改善としては比較的基本的な対策であり、同様の事例も多数見られるため、「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:A(16点)
理由:作業台のベースを大型化するためには、現場状況の確認、寸法取り、材料手配、据え付けなど、ある程度の時間と労力を伴う改善。「そこそこ時間をかけた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:揺れや不安定さを解消することで、今後の品質不良や再作業の発生を未然に防止する仕組みとなっている。再び台が傾くような状況も起きにくく、「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:今回の改善は主にハード面の対策であり、運用ルールや点検習慣の明文化がなければ、将来的に劣化やズレを見逃す可能性もある。よって「徹底すべきルールを設定した改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
Bランクの中でも、この事例は上位に近い改善です。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 人の注意ではなく、作業台の構造を変えた。「揺れないよう気をつけて作業する」のではなく、ベースを大きくして揺れそのものをなくしました。これは清潔の考え方そのものです
- 効果が「時間」にとどまらなかった。作業時間が420秒から180秒に短くなっただけでなく、精度が安定し、再作業の削減=品質向上にもつながっています
- 成果と難易度がA(16点)。寸法取りから材料手配、据え付けまで、手間のかかる改善をやり切っています
あと2点でAランク。習慣を1段階上げる
合計64点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと2点です。習慣(しつけ)レベルをC(8点)からB(12点)に上げるだけで、合計は68点になり、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | 64点 | B |
| 習慣を1段階上げる | B(12点) | 68点 | A |
「劣化やズレ」を、起きる前に見つける
ハード面の対策は、作ったときが一番良い状態です。時間がたつと、固定部のゆるみや床との接地のズレなどで、再び揺れが出てくるかもしれません。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。揺れが出て不良が起きてから直すのではなく、揺れが出る前に気づける形にしておきます。
専門家が挙げた「今後の改善ポイント」は、次の3つです。
- 作業台の安定性を点検する基準や頻度を定める
- 同様の構造を持つ他作業台への展開を検討する
- 作業標準書や点検記録にこの改善内容を反映する
専門家は、安定性の点検ポイントを明文化しておけば、今後の変化にもすばやく対応できるとしています。点検の基準と頻度を決め、作業標準書に反映すれば、習慣(しつけ)は1段階上がり、Aランクに届きます。設備に関わる内容なので、点検項目は設備・安全の担当者と確認しながら決めてください。次回も、高い視点での改善報告を期待しています。
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