この事例は、プレス機械のグリス受けにラップを敷いて清掃を一動作にした清潔事例で、専門家評価はAランク(68点)。次の課題は、剥がれや漏れがないかの振り返り。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清潔 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 設備(プレス機械のグリス受け) |
| 専門家評価 | Aランク(68点。Aは66〜80点) |
| 効果 | ラップごと捨てるだけになり、グリス受けの清掃がワンタッチでできるようになった |
改善前の状態(Before)
プレス機械のグリス受けは、汚れたグリスが溜まるため、掃除がしにくい場所でした。溜まるたびに受けそのものを掃除して、きれいにする必要がありました。

改善内容(After)
グリス受けにラップを敷きました。グリスが溜まったことに気づいたら、ラップごと捨てるだけです。受けを拭いて掃除する作業がなくなり、ワンタッチで清掃が終わります。

専門家コメント
設備に設置されたグリス受けに汚れたグリスが溜まってしまうのを防止するために、ラップを敷いて、グリスが溜まったことに気づいた時点で簡単に捨てられるようにした改善ですね。
単に、グリス受けを掃除してきれいにするのではなく、掃除をしなくてもよい仕組みを作られたことは本当に素晴らしいと感じました。
しかも、ラップを敷くだけの低コスト兼短時間作業の仕組みであり、グッドアイデアです。これで、グリス受けを掃除する時間はほぼ無くなりますね。これぞ、掃除をしなくて済む予防清掃の実例と感服です。
改善活動ご苦労さまでした。
5S改善評価:合計68点(Aランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | A | 16点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | A | 16点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | B | 12点 |
| 合計 | A | 68点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:グリス受けを掃除する時間が、ほぼ無くなった。掃除しにくい場所の作業が、ラップごと捨てる一動作に変わった。数値の記載はないが、毎回の清掃が要らなくなる点を重く見て「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:A(16点)
理由:掃除の方法を工夫するのではなく、掃除そのものを要らなくする発想に切り替えた。専門家も「画期的なアイデア」と評価している。「やや発想が困難な改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:ラップを敷くだけの、低コストで短時間の作業。専門家も「低コスト兼短時間作業」と述べている。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:A(16点)
理由:汚れを掃除で落とすのではなく、汚れをラップで受けて捨てる形にした。溜まった汚れを取り除く手間の発生源を抑えている。ただし、ラップの剥がれや漏れは未検証。「発生源を抑え、再発しにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:B(12点)
理由:ラップを敷く方法は決まったが、交換のタイミングや、誰がいつ行うかの標準化は改善報告に見えない。専門家は改善後1カ月ごろの振り返りと、横展開を提案している。「皆が守るべき標準化まで進めた」水準として評価する。
この事例を自社で真似する手順
以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。
- 掃除に手間がかかる受け皿やトレイ(グリス、油、切りくずなど)を洗い出す
- 「掃除する」のではなく「汚れごと捨てられる」形にできないか考える
- 受けの大きさに合わせてラップなどを敷く。機械の動きや熱に触れる場所は、設備・安全の担当者と確認して決める
- 溜まったことに気づける状態かを確かめ、捨てる目安を決める
- 改善後1カ月をめどに、剥がれ、漏れ、機械や製品への影響がないかを振り返る
Sランクに近づくための次の一歩
専門家は、画期的な改善だからこそ、何か見落としがあるかもしれないと述べています。改善後1カ月をめどに、この仕組みが完璧かを確かめることが、次の一歩です。確認の観点は次の3つです。
- ラップを敷いたが、すぐに剥がれてしまわないか
- ラップからグリスが漏れていないか
- ラップを敷いたことで、機械や製品に不具合が出ていないか
完璧だと確かめられたら、グリス受けの清掃で苦労している他の部署にも横展開します。起きてから直す「後追い」ではなく、汚れが溜まる前に受け止める未然防止の仕組みですから、振り返りの結果を手順として残すと、担当が替わっても同じように続けられます(例)。
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