この事例は、プレス機の安全ガードの汚れた窓を清掃し、中が見えるようにした清掃事例で、専門家評価はBランク(46点)。機械の稼働状況を把握しやすくなった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清掃 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 窓/設備(プレス機の安全ガードのガラス) |
| 専門家評価 | Bランク(46点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 安全ガードのガラスがきれいになり、プレス機の中が見えるようになった。機械の稼働状況を把握しやすくなった |
改善前の状態(Before)
プレス機の安全ガードには、中の様子を確認するための窓(ガラス)があります。ところが、この窓は普段の掃除が行き届かず、相当汚れていました。そのため、外からプレス機の中が見えにくい状態でした。

改善内容(After)
汚れていた安全ガードの窓を、しっかり掃除しました。ガラスがきれいになり、プレス機の中が見えるようになりました。
機械の稼働状況を、ガードの外から確認できるようになった改善です。

専門家コメント
普段掃除が行き届かなかった窓が相当汚れていたことを問題個所として捉え、しっかり窓掃除を行った結果、プレス機の中が見えるように改善した事例ですね。
窓を掃除することによって、機械の稼働状況をしっかりと把握できるようになり、安全面を考慮しながら品質面を担保する素晴らしい改善事例ですね。
また、普段の当たり前の風景を問題として認識されたことは、本当に素晴らしい着眼点だと感心いたしました。
せっかくきれいにしたのですから、この状態を維持したいですよね。そこで、次に取り組んでいただきたいのは、定期的な清掃スケジュールの作成です。具体的には、5W1Hで清掃スケジュールを立案してみてください。今回の場合、場所と対象物及び目的は決まっていますので、「誰が、いつ、どうやって」の3つの要素を取り決めていただければと思います。
引き続きの活動を期待しております。頑張ってください!
5S改善評価:合計46点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 13点 |
| (2)改善の独自性 | B | 10点 |
| (3)改善の難易度 | C | 9点 |
| (4)清潔レベル | C | 9点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | D | 5点 |
| 合計 | B | 46点 |
(1)成果の大きさ:B(13点)
理由:相当汚れて中が見えにくかった窓がきれいになり、プレス機の稼働状況をガードの外から把握できるようになった。安全面と品質面の両方に効く成果で、専門家も「素晴らしい改善事例」と評価している。数値の効果は示されていないため帯の上側にとどめ、「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(10点)
理由:窓を掃除するという手段そのものは、誰でも思いつくものです。ただし、毎日見ている「汚れていて当たり前」の窓を問題として捉えた着眼点は、専門家が「本当に素晴らしい着眼点」と感心した点です。手段ではなく着眼点を評価し、帯の下側で「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(9点)
理由:改善内容は窓の清掃で、設備の加工や新しい道具の製作はありません。一方で、窓は「相当汚れていた」とあり、短時間で済む軽い拭き掃除ではなかったと考えられます。所要時間の記載がないため、「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(9点)
理由:今回は、汚れた状態をきれいに戻した改善です。汚れの発生源への対策や、定期的に清掃する決まりはまだないため、時間がたてば同じように汚れていく可能性があります。「何かのきっかけで再発する」状態と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:D(5点)
理由:清掃スケジュールや担当の取り決めは、改善報告には書かれていません。専門家も、次の取り組みとして清掃スケジュールの作成を挙げています。現時点では「習慣化を促さない単発的な改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
窓の掃除は小さな改善に見えますが、5S活動の出発点として大切なことが詰まっています。特に次の3点を評価したいと思います。
- 「当たり前の風景」を問題として捉えた。毎日見ていると、汚れた窓は風景の一部になります。それを「おかしい」と気づけたことが、改善の第一歩です
- 清掃の目的が「見えること」につながっていた。きれいにするだけでなく、プレス機の中が見えて、稼働状況を把握できるようになりました
- 安全と品質の両方に効いた。安全ガードの役割を保ったまま、機械の状態や品質面を外から確かめやすくなりました
清掃は「点検」でもあります。見えるようになった窓は、機械の異常に早く気づくための窓にもなります。
あと20点でAランク。習慣と清潔を上げる
合計46点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと20点です。1項目だけでは届かないため、専門家が挙げた清掃スケジュール(習慣)と、汚れを起こしにくくする仕組み(清潔)の2つを合わせて上げていきます。
| 上げ方 | 習慣 | 清潔 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | D(5点) | C(9点) | 46点 | B |
| 清掃スケジュールを決めて守る(習慣をBに) | B(12点) | C(9点) | 53点 | B |
| スケジュールを周知・点検まで進める(習慣をAに) | A(16点) | C(9点) | 57点 | B |
| 汚れの発生源も抑える(清潔をAに) | A(16点) | A(16点) | 64点 | B |
| 汚れを未然に防ぐ仕組みまで作る(清潔をSに) | A(16点) | S(18点) | 66点 | A |
まずは専門家のアドバイスどおり、5W1Hのうち残る「誰が、いつ、どうやって」を決めて、清掃スケジュールを立てることから始めます。
「窓が汚れて見えなくなる」を、起きる前に防ぐ
汚れたら掃除する、という「後追い」のやり方では、気づいたときにはまた中が見えなくなっています。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて掃除する」に頼らず、汚れにくい形と、汚れに早く気づける形を作ります。たとえば、次のような仕組みが考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 掃除の担当や時期が決まっておらず、また汚れる | 「誰が、いつ、どうやって」を決めた清掃スケジュールを作り、窓の近くに掲示する(専門家の提案) |
| 少しずつ汚れて、見えにくくなったことに気づかない | きれいな状態の写真を基準として掲示し、見比べられるようにする(例) |
| 汚れの原因が残ったままで、すぐ汚れる | 汚れがどこから来ているかを調べ、発生を抑える方法を考える(例) |
| 清掃のやり方が人によって違う | 機械を止めるなど、安全に清掃する手順を標準書にする(例) |
プレス機と安全ガードは、安全に直接関わる設備です。清掃の手順や、発生源への対策を決めるときは、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。
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