この事例は、NC工作機械の廃油をペール缶に直接投入して移し替えをなくした清掃事例で、専門家評価はBランク(50点)。あと16点で、Aランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清掃・清潔 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 廃棄物(NC工作機械の廃油) |
| 専門家評価 | Bランク(50点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 廃油を移し替えるムダが、1週間平均で20秒短縮×4回。1カ月あたり80秒(80円)の削減(改善報告の試算)。移し替え時のこぼれによる床の汚れも防いだ |
改善前の状態(Before)
NC工作機械の廃油は、いったん廃油受けに溜めていました。そして、ある程度溜まったらペール缶に移し替えてから廃棄していました。この移し替えの手間がかかるうえ、移し替えるときに廃油がこぼれて、床が汚れる原因にもなっていました。

改善内容(After)
廃油を、廃棄用のペール缶に直接投入するようにしました。廃油受けに溜めて、ペール缶に移し替えるという工程そのものをなくした形です。移し替える手間が省けただけでなく、移し替え時のこぼれがなくなり、床の汚れも防げるようになりました。

専門家コメント
NC工作機械の廃油を一旦廃油受けに溜めた後にペール缶に移し変えてから廃棄していた状態から、廃油を廃棄用のペール缶に直接投入するようにした改善事例ですね。
廃油を移し替える手間を省き、さらに移し替え時の廃油のこぼれによる床の汚れも防いだ素晴らしい改善ですね。
改善活動、ご苦労様でした。
さて、さらなる改善に向けて3つ提案させてください。
①まずは、ペール缶一杯に廃油が溜まってしまうと一人では運べない重さになってしまいますので、どれだけ溜まったら捨てるのか、その目安を明示してみてください。
②目安を明示したら、廃棄する目安まで溜まったかどうかを確認する時間を決めて明示しましょう。
③さらに、廃油管理の責任者も明示しておくと、捨て忘れが発生せずに、スムーズに仕事が可能となります。
では、引き続きの改善活動をがんばってくださいね。
5S改善評価:合計50点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 10点 |
| (2)改善の独自性 | B | 11点 |
| (3)改善の難易度 | C | 9点 |
| (4)清潔レベル | A | 14点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 6点 |
| 合計 | B | 50点 |
(1)成果の大きさ:B(10点)
理由:廃油を移し替えるムダが、1週間平均で20秒短縮×4回、1カ月あたり80秒(80円)の削減。時間の数字は小さいものの、移し替え時のこぼれによる床の汚れを防いだ点は大きい。「満足のいく成果」の下側と評価する。
(2)改善の独自性:B(11点)
理由:溜めてから移し替える工程をやめ、廃棄用のペール缶に直接入れるという考え方。手間そのものをなくす発想で、現場でも取り入れやすい。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(9点)
理由:廃油の入れ先を変える内容で、改善報告に大がかりな加工や長い作業時間の記載はない。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:A(14点)
理由:移し替えをなくしたことで、こぼれが起きる原因そのものを減らし、発生源を抑えている。ただし、ペール缶がいっぱいになる前に捨てる目安や確認の仕組みはまだなく、未然防止の仕組みまでは届いていないため、帯の下側と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(6点)
理由:改善報告には、新しいやり方の標準化や周知、点検の記載がない。専門家が提案している、捨てる目安・確認する時間・責任者の明示がこれからの段階で、「ルール未整備」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計50点のこの事例は、Bランクの中位にあります。小さな数字に見えても、次の点は、しっかり評価したいところです。
- 手間を「減らす」のでなく、「なくした」。溜めて移し替えるという工程そのものをやめ、直接ペール缶に投入する形にしました
- 効果が時間だけにとどまらなかった。移し替え時のこぼれによる床の汚れまで防いでいます
- 清潔レベルがA(14点)。こぼれが起きる原因を、発生源から減らせています
あと16点でAランク。習慣を2段階、清潔と成果を1段階ずつ上げる
合計50点のこの事例が、Aランク(66点以上)に届くには、あと16点が必要です。専門家の3つの提案(目安の明示、確認する時間、責任者の明示)を形にすれば、習慣(しつけ)レベルをC(6点)からA(14点)に上げられ、+8点で58点になります。さらに清潔レベルを未然防止の仕組みで1段階上げ、他のNC工作機械にも広げて成果を1段階上げられれば、Aランクに届きます。
| 上げ方 | 点数の動き | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | 習慣C(6点) | 50点 | B |
| 習慣をAに | 6点→14点(+8) | 58点 | B |
| さらに清潔をSに | 14点→18点(+4) | 62点 | B |
| さらに成果をAに | 10点→14点(+4) | 66点 | A |
「捨て忘れ」と「重すぎて運べない」を、起きる前に防ぐ
ペール缶に直接投入する形になったため、次に起こりやすいのは、満杯近くまで溜まって一人では運べない、あるいは捨て忘れる、という状態です。それが起きてから対応するのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて見る」に頼らず、目安・時間・担当を表示で決めておくことで、防ぐことができます。専門家の提案をもとに、次のような仕組みを考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 溜まりすぎて、一人では運べない重さになる | 捨てる目安の量をペール缶に表示する(専門家の提案①) |
| 目安に達したことに気づかない | 確認する時間を決めて、掲示する(専門家の提案②) |
| 捨て忘れが起きる | 廃油管理の責任者を決めて、名前を表示する(専門家の提案③) |
廃油の取り扱いや運搬の重さに関わる内容は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。こうして標準化を進めれば、習慣レベルが上がり、他のNC工作機械にも同じやり方を広げやすくなります。
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