この事例は、容器に重ねて入れていたアイボルトを、ワゴン側面のサイズ別シャフトに通した整頓事例で、専門家評価はBランク(52点)。あと14点で、Aランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 工具/備品(アイボルト) |
| 専門家評価 | Bランク(52点。Bは46〜65点) |
| 効果 | アイボルトを取り出す時間を、1日平均45秒短縮×月20日。1カ月あたり900秒(900円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
アイボルトは、ワゴンの容器の中に重なった状態で収納されていました。そのため、必要なサイズを探し出すのに時間がかかっていました。
重なった中から目的のサイズを選ぶ作業は、探す時間がかかるだけでなく、似たサイズを取り違えるおそれもあります。

改善内容(After)
アイボルトをワゴンの外へ出し、ワゴンの側面に設けたサイズ別の専用シャフトに通しました。サイズごとに分類して並べたことで、必要なアイボルトが一目で分かり、取り出しやすくなりました。改善報告の試算では、1日平均45秒の短縮×月20日で、1カ月あたり900秒(900円)の削減です。

専門家コメント
アイボルトが重なって容器内に収納されていたことで、必要なサイズを探すのに時間がかかっていた状態を、ワゴンの側面にサイズ別の専用シャフトを設けることで一目で分かるように分類・展示した改善ですね。
この改善によって、「探すムダ」がなくなり、作業効率の向上だけでなく、誤使用の防止にもつながるとても有効な整頓改善だと思います。まずはこの気づきと実行に、感謝します。
整頓は「使いやすさ」と「戻しやすさ」を両立させることが大切です。ぜひその視点で次のレベルの改善にも取り組んでみてください。
5S改善評価:合計52点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 12点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 52点 |
(1)成果の大きさ:B(12点)
理由:重なったアイボルトから目的のサイズを探す手間があった状態を、サイズ別に分類・展示することで、探すムダを解消し、作業効率の向上に貢献している。サイズ間違いによる誤使用リスクの低減にもつながる。ただし、対象範囲がアイボルトに限定されており、生産性全体への影響は限定的なため、「満足のいく成果である改善」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:サイズごとにシャフトで分類して展示する方法は、視認性・取り出しやすさを意識した工夫が見られる。ただし、同様の分類展示方法は他の備品収納でも比較的よく見られるため、「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:ワゴンの側面にシャフトを設置するには、取り付け位置や寸法調整などある程度の作業は必要だが、特別な加工技術を伴う内容ではないと考えられる。所要時間も1時間以内と推定されるため、「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:分類展示によって視認性と取り出しやすさは向上しているが、使用後に戻さない・他サイズと混在するといった再発リスクは残っている。ラベル表示や戻し方のルールがなければ、「何かのきっかけで再発する改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:整然と分類展示しただけでは、使った後に正しく戻す運用ルールや点検の仕組みが明示されていない場合、状態維持が属人化する可能性がある。そのため、「徹底すべきルールを設定した改善」と評価する。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、次の点をしっかり評価したいところです。
- 「しまう」から「見せる」に変えた。容器の中に入れる収納から、ワゴンの外に並べる収納に変えたことで、在るものが一目で分かるようになりました
- サイズごとに1本ずつシャフトを分けた。サイズ別に置き場を分けたことで、探すムダだけでなく、サイズの取り違えという誤使用の防止にもつながっています
- 独自性がB(12点)。シャフトに通すという、アイボルトの形に合った収納方法を選んだ点に、工夫が見られます
- ワゴンの側面という空きスペースを活かした。置き場を増やすのではなく、既にあるワゴンを使っています
使用頻度の高い部品ほど、この改善の効果は毎日の作業で実感できます。
あと14点でAランク。清潔と習慣をAに上げる
合計52点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと14点です。清潔レベルと習慣(しつけ)レベルの2項目を、C(8点)からA(16点)に上げるだけで、合計は68点になり、Aランクに届きます。成果・独自性・難易度は、今のままでかまいません。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(8点) | 52点 | B |
| 清潔・習慣をAに上げる | A(16点) | A(16点) | 68点 | A |
「違うシャフトに戻す」を、起きる前に防ぐ
専門家が指摘するとおり、使った後に戻さなかったり、違うサイズのシャフトに戻したりすると、せっかくの分類が少しずつ崩れていきます。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「正しく戻すよう気をつける」に頼らず、間違えにくい形にしておきます。
専門家が挙げた「今後の改善ポイント」は、次の3つです。
- 各シャフトにサイズを明示するラベルを貼る
- 「使ったら戻す」ルールを掲示・徹底する
- 定期的な点検や分類状態のチェックリストを導入する
未然防止の視点で考えると、サイズごとにシャフトとラベルの色を変える方法もあります(例)。違う色のシャフトに掛かっていれば、一目で戻し間違いに気づけます。これに戻し方の掲示と定期点検を組み合わせ、誰がやっても同じ状態に戻せるようにすれば、習慣(しつけ)のレベルも上がります。次の改善報告では、この「乱れない仕組み化」まで進めた内容を、ぜひ聞かせてください。
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