この事例は、長さ別に揃えてあったクッションピン置き場に、長さと本数の表示を付けた整頓事例で、専門家評価はBランク(60点)。探すムダが減った。あと6点でAランク。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 材料/部品(クッションピン) |
| 専門家評価 | Bランク(60点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 探すムダが減った。1日平均10秒短縮×月20日で、1カ月あたり200秒(200円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
クッションピンは、長さ別に揃えて置かれていました。整理はされていたものの、置き場に表示がありませんでした。
長さの違いは見た目だけでは区別しにくいため、表示がないと、必要な長さを探す手間や、取り間違いが起きやすくなります。

改善内容(After)
置き場に、長さと本数を表示しました。どの長さのピンが何本あるかが、すぐに識別できるようになりました。
改善報告の試算では、探す時間が1日平均10秒短縮され、月20日で1カ月あたり200秒(200円)の削減です。

専門家コメント
改善前は金属材料が長さ別に整理はされていたものの、表示がなかった点に着目し、長さと本数の表示を設けてすぐに識別できるようにした改善ですね!
「整頓」の基本に立ち返った素晴らしい取り組みに感謝いたします。
この改善によって、探す手間や取り間違いが防止でき、作業効率が確実に高まるはずです。
今回のように、「ちょっとした見落とし」を丁寧に見つけて改善につなげる視点はとても大事です。
5S改善評価:合計60点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | B | 12点 |
| 合計 | B | 60点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:長さと本数の表示を設けたことにより、金属材料の識別性が飛躍的に向上し、「探す」「間違える」といったムダが削減される。大きな設備変更ではないが、作業効率向上への効果は明確で、日常業務に直接的な成果が見込めるため「A」評価とした。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:表示をつけるという発想は比較的標準的であり、他の現場でも類似の改善例はよく見られる。しかし、長さと本数を同時に可視化した点は、実用性の高い工夫といえる。「標準的に発想できるが、工夫はある」ため「B」評価。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:表示の設置という点からみると、作業時間は15分〜30分程度で実施可能な範囲と推察される。特別な機材や作業手順も必要なく、比較的簡易な対応と判断し「C」評価。もし実際に1時間以上かかっている場合は、再評価も可能。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:表示を設けたことで、同じような材料の取り間違いを防止できる仕組みができた。ただし、表示の劣化や管理の徹底が必要な点から、同じ状況なら再発を防げるが、長期的な維持管理が必要と判断し「B」とした。
(5)習慣(しつけ)レベル:B(12点)
理由:表示により誰が見ても識別できる状態になり、標準化された整頓ルールが成立している。ただし、表示内容の更新や管理が継続されなければ、形骸化する可能性があるため、「B」評価とした。仕組み化されていればA評価も可能。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、次の点をしっかり評価したいところです。
- 「整理はできているのに表示がない」という見落としに気づいた。専門家も、この「ちょっとした見落とし」を丁寧に見つける視点を「とても大事」としています
- 長さと本数を同時に表示した。どれかが分かるだけでなく、何本あるかまで分かるようにした点は、実用性の高い工夫です
- 成果がA(16点)。探す手間だけでなく、取り間違いも防げるようになりました
- 習慣(しつけ)がB(12点)。誰が見ても識別できる、標準化された整頓ルールになっています
あと6点でAランク。清潔と習慣を1段階ずつ上げる
合計60点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと6点です。清潔レベルと習慣(しつけ)レベルを、それぞれB(12点)からA(16点)に上げると、合計は68点になり、Aランクに届きます。専門家も、仕組み化されていれば習慣はA評価も可能としています。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(12点) | B(12点) | 60点 | B |
| 清潔・習慣を1段階ずつ上げる | A(16点) | A(16点) | 68点 | A |
「表示と実物のズレ」を、起きる前に防ぐ
専門家が次に考えてほしいとしているのは、この表示が常に最新の本数を反映できるか?という視点です。表示内容が現場の実際とズレると、逆に誤認につながってしまいます。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「本数を書き直すよう気をつける」に頼らず、ズレが起きにくい形にしておきます。
専門家は、たとえば次のような工夫を挙げています。
- 材料を補充・使用した時に、本数を記録・更新できるルールを作る
- 誰が見ても明確な「見える化」の工夫を検討する
- 表示の更新ルールや管理の仕組み化(誰がいつ見直すか)まで踏み込む
未然防止の視点で考えると、本数をその都度書き換える代わりに、置き場に「この位置まで減ったら補充」という目印を付ける方法もあります(例)。数える手間がなくなり、表示と実物がズレる余地も小さくなります。更新や見直しの担当とタイミングを決めて標準にすれば、習慣(しつけ)もAに近づきます。次なる改善報告も楽しみにしています。
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