【5S 整頓事例】傾斜を付けて自重で仕掛品の崩れを防ぎ作業時間を短縮|評価Aランク(工場)

この事例は、傾斜を付けて自重(重力)で仕掛品の崩れを防いだ整頓事例で、専門家評価はAランク(68点)。次の課題は、他の力への応用と標準化。

項目 内容
改善の種類 整頓/習慣(しつけ)
改善場所 工場
改善対象 仕掛品
専門家評価 Aランク(68点。Aは66〜80点)
効果 1回2秒の短縮。2秒×300台=600秒で、1カ月600円の削減(改善報告の試算)
目次

改善前の状態(Before)

改善前は、スムーズな作業がしにくい状態でした。仕掛品の扱いで、崩れなどの手間があり、作業に余計な時間がかかっていました。

5S 整頓 仕掛品 傾斜なし 改善前 工場
【改善前】傾斜を付ける前

改善内容(After)

傾斜を付けることで、自重(重力)を活かして製品の崩れを防ぎ、スムーズに作業できるようにしました。1回あたり2秒の短縮になっています。

5S 整頓 仕掛品 傾斜を付ける 自重で崩れ防止 改善後 工場
【改善後】傾斜を付けて、自重で製品の崩れを防ぐ

専門家コメント

改善活動お疲れ様です。今回のように、自重(重力)を活かして製品の崩れを防いだ取り組みは、シンプルで効果的な好事例です。このような「見えない力」を利用した工夫は、今後の改善にも大いに活用できます。

たとえば、磁力を使って部品を仮固定することで、作業中のズレを防いだり、静電気の帯電防止により、異物の付着やホコリの蓄積を防いだりと、様々な場面で応用が可能です。また、ばねの弾性力を利用した自動戻り構造や、空気圧を活かした圧送・吸着といった仕組みも、省力化や作業の簡素化に寄与します。

これらの力を意識しながら現場を観察することで、設備に頼らない工夫や、新たな改善のアイデアが生まれるきっかけとなります。ぜひチーム内で発想を共有し、創意工夫の文化を育てていきましょう。

5S改善評価:合計68点(Aランク)

評価項目 評価 点数
(1)成果の大きさ A 16点
(2)改善の独自性 A 16点
(3)改善の難易度 C 8点
(4)清潔レベル A 16点
(5)習慣(しつけ)レベル B 12点
合計 A 68点

5項目の合計は、16+16+8+16+12=68点で、Aランク(66〜80点)にあたります。手間をかけずに、力の働きで崩れを防ぐ構造にした点が、点数の土台です。

(1)成果の大きさ:A(16点)

理由:1回2秒の短縮で、1カ月600秒(600円)と削減額は小さい。ただ、作業のたびにスムーズさが増し、崩れによるやり直しも起きにくくなる。「やや大きい成果」と評価する。

(2)改善の独自性:A(16点)

理由:設備や道具を足すのではなく、自重(重力)という「見えない力」を利用して崩れを防ぐ発想は、やや難しい。「やや発想が困難な改善」と評価する。

(3)改善の難易度:C(8点)

理由:傾斜を付けるだけのシンプルな工夫で、大がかりな準備は要らない。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。

(4)清潔レベル:A(16点)

理由:重力で製品が自然に安定するため、崩れないように気をつける必要がなくなる。人の注意に頼らず、構造で防止できる。「発生源を抑え、再発しにくい改善」と評価する。

(5)習慣(しつけ)レベル:B(12点)

理由:傾斜という形で作業が決まるため、誰が作業しても同じ状態になりやすい。傾斜の角度や置き方の標準化は、これから。「皆が守るべき標準化まで進めた改善」と評価する。

この事例を自社で真似する手順

以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。

  1. 製品が崩れる、ズレるなど、作業を止める手間が出る場所を探す
  2. 気をつけて扱う代わりに、傾斜のように、力の働きで自然に安定する形を考える
  3. 試しに形を作り、1回あたりの時間の変化を測る
  4. 傾きや置き方を決め、写真などで残し、誰が作業しても同じにできるようにする

Sランクに近づくための次の一歩

自重を活かして、崩れを防ぎました。次に考えたいのは、「見えない力」を、他の作業のミスや手間にも当てはめることです。清潔レベルで上位を取るには、起きてから直す「後追い」ではなく、力や構造で起きない状態を先に作る「未然防止」の視点が要ります。専門家コメントで挙がっている、力の活用の例は次のとおりです。

  • 磁力を使い、部品を仮固定して、作業中のズレを防ぐ
  • 静電気の帯電を防ぎ、異物の付着やホコリの蓄積を防ぐ
  • ばねの弾性力で、自動的に元の位置へ戻る構造にする
  • 空気圧を使い、圧送・吸着で省力化する
  • (例)傾斜の角度や置き方を、写真付きで決めて残す

設備の変更や安全に関わる案は、設備・安全の担当者と確認して進めてください。チーム内で発想を共有すれば、創意工夫の文化が育ちます。

関連する5S活動の事例

同じ工場の、整頓や置き場に関する事例です。

5S活動の全体像はこちら

この記事を書いた専門家

製造業に15年勤務の後、2012年に中小企業診断士として開業。ホームページを使ったWEB集客や、リピーターを増やす顧客管理システム活用支援を得意とする。創業者や経営者が自ら IT を使いこなせるように、分かりやすく丁寧なサポートを進めている。5S-CONCEPTでは、これまでに5S活動の改善事例272件を評価(2026年9月27日時点)。

目次