この事例は、シューターと金型の両方に番号を表示して対応を分かりやすくした整頓事例で、専門家評価はBランク(52点)。あと14点でAランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 設備(シューター・金型) |
| 専門家評価 | Bランク(52点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 探すムダを、1日平均10秒短縮×月間15日発生。1カ月あたり150秒(150円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
金型の置き場には、番号を付けていました。ところが、シューターには番号の表示がありませんでした。置き場の番号と、シューター・金型本体との対応関係が分かりづらい状態でした。

改善内容(After)
シューターにペイントマーカーで番号を表示し、金型にも番号を表示しました。シューターと金型の両方に同じ番号を付けて、対応づけたことで、どれとどれが組み合わさるのかが分かるようになりました。

専門家コメント
改善前は金型置き場には番号があっても、シューターや金型本体に番号表示がなかったため、対応関係が分かりづらい状態だったとのこと。
その問題に気づき、シューターと金型それぞれに番号を表示して対応づけてくれた改善、本当に素晴らしい取り組みです。ありがとうございます。
これによって迷いなく作業ができ、効率化やミス防止にも大きく貢献しているはずです。
次にぜひ考えてみてほしいのは、番号が消えたり読みづらくなった場合の対策です。
例えば表示が消えないように保護テープを貼る、定期的に点検・書き直しをルール化するなど、「清潔」や「しつけ」の視点も加えてみてください。
今回の改善を起点に、さらなる高レベルな改善を期待しています。あなたからの次なる報告書を楽しみにしています。
5S改善評価:合計52点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 52点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:番号表示により、誰が作業しても迷わず正しい金型を扱えるようになり、効率化とミス防止の効果は大きい。ただし安全や品質に直結する重大な効果まではいかないため、SではなくA評価とした。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:番号表示による対応づけは整頓の基本的な方法で、比較的よく用いられる改善。ただ、現場の具体的な不便を見逃さず「両者に番号を振る」という工夫は有効だった。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:番号を付与する作業は数分~十数分程度でできる比較的簡易な改善。そのためC評価とした。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:番号表示で現状の見やすさは確保できているが、時間の経過でラベルが剥がれたり薄れたりするリスクがある。保護や点検ルールが導入されればA、Sの評価に上がる。「何かのきっかけで再発する可能性のある改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:番号表示自体は良い仕組みだが、定期点検やラベルの更新ルールが明確になっていないと維持が難しくなる。今後「誰がいつ確認するか」を決めればB以上に向上できる。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計52点のこの事例は、Bランクの中ほどにあります。点数以上に、次の3点をしっかり評価したいと思います。
- 置き場の番号だけで終わらせず、シューターと金型の両方に番号を付けた。「番号があるのに対応が分からない」という現場の具体的な不便を見逃さず、気づいたところが出発点です
- 成果の大きさがA(16点)。誰が作業しても迷わず正しい金型を扱えるようになり、効率化とミス防止の両面に効いています
- 数分~十数分でできる簡易な改善だった。大がかりな設備投資をしなくても、整頓で作業のムダは減らせることを示しています。改善報告の試算では、探すムダが1カ月あたり150秒、150円の削減です
あと14点でAランク。清潔と習慣を上げる
合計52点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと14点です。専門家は、番号が消えたり読みづらくなったりしたときの対策を、次に考えてほしいこととして挙げています。清潔レベルと習慣(しつけ)レベルは、どちらも現在C(8点)です。この2つを上げていくのが、Aランクへの近道です。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(8点) | 52点 | B |
| 習慣をBに | C(8点) | B(12点) | 56点 | B |
| 習慣をAに | C(8点) | A(16点) | 60点 | B |
| 清潔をAに、習慣をBに | A(16点) | B(12点) | 64点 | B |
| 清潔をAに、習慣をAに | A(16点) | A(16点) | 68点 | A |
どちらか一方だけを上げても、Aランクには届きません。表示を長く保つ工夫(清潔)と、点検とルール(習慣)を、セットで進めることがポイントです。
「番号が消える・読めなくなる」を、起きる前に防ぐ
番号が消えてから書き直すのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「消えていないか気をつけて見る」に頼らず、消えにくい形と、見る習慣そのものを仕組みにします。専門家のアドバイスと改善報告の発展ポイントをもとに、次のような仕組みを考えられます(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 番号が薄れる・剥がれる | 保護テープを貼る、またはラベルを耐久性のある素材に変更する |
| 消えていることに気づかない | 定期点検のルールを設け、「番号が消えていないか」を確認する日を決める |
| 誰が直すのか決まっていない | 「誰がいつ確認するか」を決めて、書き直す担当と手順を標準化する |
| 他の設備や部品でも対応が分かりにくい | 他の設備や部品管理にも、同じ「番号対応表示」を横展開する |
設備に関わる表示の変更や、保護テープなどの材料の選定は、設備担当者と確認しながら進めてください。今回の改善は「作業者の迷いをなくす」視点でとても有効でした。この視点を、点検と標準化まで広げれば、Aランクも射程内です。
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