この事例は、治具の片付け先を機械の傍の容器に変え、片付けの移動を短縮した整頓事例で、専門家評価はBランク(52点)。あと14点でAランク。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 治具/刃具 |
| 専門家評価 | Bランク(52点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 片付けの往復70歩(70秒)の移動を短縮。年間840円の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
作業終了後に治具を片付けるとき、直す場所が遠く、片付けるのが手間な状態でした。往復70歩を移動する必要があり、片付けが後回しになりやすい状況でした。


改善内容(After)
機械の傍に容器を新たに設置し、その中に治具を直すように置き場所を変更しました。片付けの移動距離が大幅に短縮され、作業効率が向上しました。

専門家コメント
改善前は作業終了後に治具を片付ける際、直す場所が遠かったため片付けるのが手間な状態でした。そこで機械の傍に容器を新たに設置し、その中に治具を直すように置き場所を変更することによって、片付けの移動距離を大幅に短縮し作業効率を向上させた改善ですね。
とても良い視点での整頓改善、ありがとうございます。必要なモノを必要な場所に配置しムダな動作を減らす工夫は、作業の効率化に直結しますし、他の作業者にとっても非常にありがたい取り組みです。
次にぜひ考えていただきたいのは、その容器の中が乱れたりしないよう「どう並べて置くか」のルールです。治具の種類や形状が複数あるなら、仕切りやラベル表示をすることで誰が見てもわかる状態になります。それによって乱れを防ぐだけでなく、次に使う時の取り出しやすさもさらに向上させることができます。清潔としつけの視点で仕組み化できるとより良いですね。
次なる改善報告も楽しみにしています。
5S改善評価:合計52点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 52点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:治具の片付けにかかる移動のムダが大幅に削減され、作業効率が確実に向上しています。また、他の作業者にとっても使いやすい動線になることで、現場全体への波及効果も大きいと評価できます。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:“片付け先を近くに設ける”という発想自体はよくある整頓手法ですが、「機械のすぐ傍」「治具に特化した容器の設置」など、実際の作業状況に即した工夫がなされているため、現場にフィットした改善として、「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:容器の選定や設置自体は比較的短時間(15〜30分以内)で実施可能と思われます。複雑な加工や設計も不要であったと判断し、「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:容器を設けることで片付け忘れや放置を防ぐ効果はありますが、中が乱れるリスク(治具が混在・重なってしまうなど)に対する対策はまだ未整備と判断します。仕切りやラベル表示などが加われば、再発防止としてB~A評価に上がる可能性があります。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:現時点では「そこに片付ける」という改善は実行されたが、他の人も確実に守れるルールや仕組みが定着しているかは不明です。定位置・ラベル・使用ルールの明文化や、全員周知があれば習慣化レベルが向上します。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計52点のこの事例は、Bランクの中ほどにいます。まず次の点を評価したいと思います。
- 「片付けやすさ」に目をつけた。使うときだけでなく、戻すときのムダな動作に気づいています
- 機械のすぐ傍に、治具専用の容器を置いた。実際の作業状況に即した工夫で、片付け忘れや放置を防ぐ効果があります
- 他の作業者にも使いやすい動線になった。現場全体への波及効果が大きいと評価されています
あと14点でAランク。清潔と習慣を1段階以上上げる
合計52点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと14点です。清潔レベルをC(8点)からA(16点)に上げると+8点、習慣(しつけ)レベルをC(8点)からA(16点)に上げると+8点で、合計は68点になり、Aランクに届きます。B(12点)に1段階ずつ上げるだけだと60点なので、2段階を目標にしたいところです。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(8点) | 52点 | B |
| 清潔・習慣とも1段階 | B(12点) | B(12点) | 60点 | B |
| 清潔・習慣とも2段階 | A(16点) | A(16点) | 68点 | A |
「容器の中の乱れ」を、起きる前に防ぐ
容器に放り込むだけの状態は、いずれ治具が混在し、重なって、取り出しにくくなります。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「きれいに入れる」に頼らず、仕切りと表示で乱れない形にします。次の表は、専門家のアドバイスをもとにした例です。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 治具が混在し、重なる | 容器内に仕切りをつけて、治具を分類する |
| どれがどの治具か分からない | 治具ごとのラベル表示や番号を貼る |
| 戻す場所があいまい | 「治具回収BOX」など、明示的な名前の表示を付ける |
| よく使う治具が取り出しにくい | 使用頻度別に配置場所を分ける |
こうした定位置・ラベル・使用ルールを文章にして全員に周知し、定期点検や清掃のルールまで決めれば、習慣(しつけ)レベルも上がります。「誰が使っても整った状態で使える」ことが目標です。
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