この事例は、倉庫で過剰に積み上がった材料在庫を棚卸し精度の向上で減らした整理事例で、専門家評価はAランク(76点)。次の課題は、この状態を保つ仕組みづくり。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整理 |
| 改善場所 | 倉庫 |
| 改善対象 | 材料/部品 |
| 専門家評価 | Aランク(76点。Aは66〜80点) |
| 効果 | 材料を探すムダと保管スペースが改善。1日平均300秒短縮×月間20日発生で、1カ月あたり6,000秒(6,000円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
改善前は棚卸しの精度が悪く、ムダな購入によって材料在庫が過剰に積み上がり、置場を圧迫している状態でした。在庫が多いこと自体は目立ちにくく、見過ごされがちな問題です。

改善内容(After)
棚卸し精度の向上と適正在庫管理を行い、不要な材料在庫を減らしました。空いた場所を整理して、ゆとりのある作業環境にしています。

専門家コメント
改善前は棚卸しの精度が悪く、ムダな購入により材料在庫が過剰に積み上がって置場を圧迫している状態でした。そこで棚卸し精度の向上と適正在庫管理を行い、不要な材料在庫を削減し、保管スペースを整理してゆとりのある作業環境にした改善ですね。
在庫過多という見過ごされがちな問題にしっかり向き合い、原因に対して具体的な改善をしてくれたことに、心から感謝します。棚卸し精度の向上は「整理」の基本に立ち返る、とても重要な取り組みです。
5S改善評価:合計76点(Aランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | S | 20点 |
| (2)改善の独自性 | A | 16点 |
| (3)改善の難易度 | A | 16点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | B | 12点 |
| 合計 | A | 76点 |
20+16+16+12+12=76点で、Aランク(66〜80点)です。
(1)成果の大きさ:S(20点)
理由:不要在庫の削減で保管スペースが空き、作業効率や安全性が大幅に向上した。無駄な購入コストの削減効果もあり、影響範囲が広く長期的なメリットも大きい。
(2)改善の独自性:A(16点)
理由:棚卸し精度の改善と在庫の適正化は一般的な手法だが、原因分析から具体的な仕組みの改善まで一貫して実施している点が高評価。現場の状況を深く理解したうえでの対応で、発想のレベルも高い。
(3)改善の難易度:A(16点)
理由:棚卸し方法や発注フローの見直し、在庫管理ルールの整備など、関係部署や複数工程の連携が必要で、短時間では完結しない取り組み。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:今回の改善で状態は良くなったが、維持のためのルールや点検の仕組みはまだ完全ではない。発注前チェックや定期見直しを制度化すれば、A以上に向上できる。
(5)習慣(しつけ)レベル:B(12点)
理由:実施はされているが、一部の担当者が中心になっている可能性が高く、全員が当たり前に守る仕組みまでは届いていない。担当者・時期・方法を明確にすれば、Sレベルも可能。
この事例を自社で真似する手順
以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。
- 置場で在庫が過剰になっていないか確認し、棚卸しの精度(帳簿と現物の差)を点検する
- 差が出る原因(数え方、記録のタイミング、発注の判断)を洗い出す
- 棚卸しの方法を見直し、必要な量(適正在庫)を材料ごとに決める
- 不要と分かった在庫を減らし、空いた保管スペースを整理する
- 次の一歩として、発注前のチェックと定期的な在庫見直しのルールを決める
Sランクに近づくための次の一歩
専門家が次に考えてほしいとしているのは、この状態をどうやって維持するかです。在庫が増えてから減らす「後追い」ではなく、過剰になる前に止める「未然防止」の仕組みを先に作ると、清潔レベルが上がります。
- 発注前チェックのルールを設ける(誰が見ても過剰発注を防げる、発注前チェック表)
- 定期的な在庫見直しを、誰がいつやるか決める(棚卸しカレンダーに月ごとの日程と担当を示す)
- 上限・下限の在庫量を決め、外れたら気づける仕組みにする(在庫アラート)
- ビフォー・アフターを現場に掲示し、成果を見える化して意識を定着させる
これらを職場のルールとして標準化できれば、習慣(しつけ)レベルも上がり、Sランクが見えてきます。「気をつける」に頼らず、決まりと表示で防ぐのがポイントです。
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