この事例は、オフィスの袖机上に積み上げられていた書類を整理した整理事例で、専門家評価はDランク(24点)。ちょい置きの防止が課題。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整理 |
| 改善場所 | オフィス(袖机上) |
| 改善対象 | 書類 |
| 専門家評価 | Dランク(24点。Dは30点以下) |
| 効果 | 数える、見るムダを削減。1日10秒削減×発生日数1日で、1カ月あたり10秒の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
事務所の袖机の上に、書類が積み上げられていました。書類が積み上がった状態では、数えたり見たりするムダが生じます。

改善内容(After)
袖机の上に積み上げられていた書類を整理しました。5Sの第一歩である「整理」を実践したことで、机上の環境が改善されています。改善報告の試算では、数える、見るムダが1日10秒削減、発生日数は1日で、1カ月あたり10秒の削減です。

専門家コメント
改善活動、ありがとうございます。事務所の袖机上に積み上げられていた書類を整理した改善事例ですね。
5Sの第一歩である「整理」を実践され、机上環境が改善されました。事務所の机の上には書類が溜まりがちになるので、次なるステップとして、この記事の後半で紹介する「ちょい置き」の防止のポイントを実践してください。
5S改善評価:合計24点(Dランク)
今回の改善を、5つの項目で辛口に評価しました。
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | D | 4点 |
| (2)改善の独自性 | D | 4点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | D | 4点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | D | 4点 |
| 合計 | D | 24点 |
(1)成果の大きさ:D(4点)
理由:机上環境が改善された点は評価できる。しかし、削減できた時間は1日10秒で、発生日数も1日と、1カ月あたり10秒にとどまる。「成果は比較的小さい改善」と評価する。
(2)改善の独自性:D(4点)
理由:積み上がった書類を整理するのは、5Sの第一歩となる基本的な取り組み。「誰でも思いつく改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:書類を選り分けて整理する作業で、特別な技術や設備は要しない。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:D(4点)
理由:机の上には書類が溜まりがちで、専門家も次のステップが必要だと述べている。書類が置かれる原因への対策が記述されておらず、「すぐ乱れる改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:D(4点)
理由:書類を分類するルールや、整理する時間を決めた記述がない。「習慣化を促さない単発的な改善」と評価する。
Dランクから上位ランクに上げる工夫と考え方
この改善は「一度、机の上を片づけた」改善です。上のランクに進むために必要なのは、もう一度片づけることではありません。書類が積み上がらないようにすることです。
点数で見る「上げ方」
24点のこの事例は、改善そのものの中身(成果・独自性・難易度)を変えなくても、維持の2項目(清潔・習慣)を上げるだけでランクが上がります。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | D(4点) | D(4点) | 24点 | D |
| 清潔・習慣をともに1段階上げる | C(8点) | C(8点) | 32点 | C |
| 清潔・習慣をともにAまで上げる | A(16点) | A(16点) | 48点 | B |
成果や独自性を上げるには新しい発想や時間が要りますが、清潔と習慣は仕組みで上げられる項目です。「あと7点」でCランク、清潔と習慣を整えればBランクに届きます。
清潔レベルのカギは「未然防止」
整理・整頓・清掃は、放っておくとモグラ叩きになりがちです。机上の書類も、溜まってから片づける「後追い」になりがちです。積み上がったら整理する。探し物が出たら崩して探す。これでは、片づけても、また書類は積み上がります。
この評価基準では、清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。人の注意力や「気をつける」に頼らず、書類が積み上がりようのない置き方・手順にすること。私たち評価者が支援現場で強く感じるのは、多くの中小製造業の現場で、この「不具合が起きない仕組み」まで考える視点が不足していることです。
この事例に当てはめると、次のようになります。
| 起こりうる不具合 | 後追いの対応(Dの発想) | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|---|
| 書類が「とりあえず」置かれ、積み上がる | 溜まったら整理し直す | 机上に「処理中」「保留」「完了」の3つのトレイを置き、書類が来たら即座に分類する(専門家のポイント) |
| その日の書類が、翌日に持ち越される | 気づいたときに片づける | 終業前の5分間を「机上リセットタイム」に設定し、その日に置いた書類を必ず整理する(専門家のポイント) |
| 「保留」のトレイに書類が溜まり続ける | いっぱいになってから確認する | 保留に期限を付け、見直す日を決めておく(例) |
| 理想の状態が忘れられ、元に戻る | 気づいた人が注意する | 整理した机上の写真を撮り、理想の状態として手元に置く(専門家の「継続のコツ」) |
上の表の上2行と4行目は専門家が挙げたポイントに沿ったもので、3行目は例です。大切なのは、右の列の発想で「書類が積み上がる原因」を先に洗い出し、起きる前に手を打つことです。書類の保管や廃棄の扱いは、書類の担当部署と確認してください。
習慣(しつけ)レベル:単発の改善から「皆が守る標準化」へ
習慣(しつけ)は、清潔で見つけた良いやり方を標準化する活動です。習慣レベルを上げるには、一人の工夫を、全員が同じように行うルールにします。
- 3つのトレイの使い方(何を、どのトレイに入れるか)を、机のそばに掲示する
- 終業前5分の「机上リセットタイム」を、職場の共通の時間として決める
- 理想の状態の写真を、机の近くに置いておく
次の改善報告で期待すること
専門家は、書類の「ちょい置き」を防止するために、次の2点を実践するよう求めています。
- 即座に分類する仕組み作り(「処理中」「保留」「完了」の3つのトレイ)
- 1日1回のリセットタイム(終業前の5分間)
整理した机上の写真を、理想の状態として手元に置くと、常に意識して維持できます。積み上げを根本的に防げたかどうかを、次の報告で教えてください。
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