この事例は、オーブンのカス受けに印を付けて専用化した清掃事例で、専門家評価はAランク(68点)。準備が約3分から約20秒になった。次の課題は、印の維持と置き場の明示。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清掃 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 設備(328系オーブンのカス受け) |
| 専門家評価 | Aランク(68点。Aは66〜80点) |
| 効果 | カス受けの準備が約3分から約20秒になった |
改善前の状態(Before)
328系オーブンで使うカス受けは、準備のたびに、その設備に合うものを探す時間がかかっていました。カス受けは、金属プレスのときに出るプレスカスを集める道具です。この探す時間を含めて、準備に約3分かかっていました。

改善内容(After)
カス受けに印を付けて、その設備の専用にしました。合うものを探さなくても、印を見れば準備できます。その結果、約3分かかっていた準備が約20秒になりました。差し引きで、1回あたり約160秒(約2分40秒)の短縮です。金型の段取替えがしやすくなったことが、いちばんの効果です。

専門家コメント
金属プレスで生じるプレスカスを集めるカス受けに、マークを付けて専用化した改善事例ですね。改善活動をありがとうございます。
カス受けを専用化したことで、金型の段取替えがしやすくなりました。3分かかっていた作業が20秒でできるようになったのは、大きな改善です。プレス加工業にとって、金型の段取替えの短縮は、生産性の効率化に直結します。
成果の大きい改善なので、類似する設備や金型にも、水平展開を実施してください。
5S改善評価:合計68点(Aランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | A | 16点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | B | 12点 |
| 合計 | A | 68点 |
16+12+12+16+12=68点で、Aランク(66〜80点)です。
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:約3分の準備が約20秒になり、段取替えの短縮という、プレス加工の生産性に直結する成果が出ている。専門家も「大きな改善」と評価している。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:道具に印を付けて専用化する方法は、多くの現場で使われている。段取替えの中で、探す時間に目を向けた点は良いが、「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:どのカス受けがどの設備用かを見きわめて、印を付ける作業が必要。大がかりな工事ではなく、「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:A(16点)
理由:合うものを探す状況そのものをなくす構造で、準備のたびに同じ手間が起きにくい。専用化により、誰が準備しても迷いにくい。「発生源を抑え、再発しにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:B(12点)
理由:印を付けて専用化するという、皆が同じ使い方をするための土台はできている。印の点検や、置き場の決まりまでは、改善報告に書かれていない。「皆が守るべき標準化まで進めた改善」と評価する。
この事例を自社で真似する手順
以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。
- 段取替えのとき、道具を探したり、合うか確かめたりして時間を使っている場面を洗い出す
- 探している道具(カス受けなど)と、使う設備の組み合わせを決める
- 道具に、設備が分かる印を付けて専用にする
- 実際に準備の時間を測り、改善前と比べる
- 成果が出たら、似た設備や金型にも同じやり方を広げる(専門家の言う水平展開)
Sランクに近づくための次の一歩
専門家は水平展開を勧めています。さらにSランクに近づくには、印が消えたり、別の場所に置かれたりしても、探す手間が戻らない仕組みを先に作る「未然防止」の視点が要ります。以下は、改善報告にはない、考え方の例です。
- 印が薄くなったら気づけるよう、印の状態を定期の点検項目に入れる(例)
- カス受けの置き場にも、同じ印を付けて、戻し先が分かるようにする(例)
- カス受けを使う設備の一覧表を作り、誰が新しい道具を用意しても、同じ印が付くようにする(例)
起きてから「また探している」と気づくのではなく、探す状況が起きない配置と表示を先に整えておく。それが清潔レベルの上位につながります。
関連する5S活動の事例
同じ工場の設備まわりの、清掃・清潔に関する事例です。



