この事例は、通路や作業エリアに置かれていたパレットと台車の配置を見直し、通路を確保した整頓事例で、専門家評価はBランク(56点)。移動のムダが減った。あと10点でAランク。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 通路(パレット・台車の置き場) |
| 専門家評価 | Bランク(56点。Bは46〜65点) |
| 効果 | 移動するムダが減った。1日平均10秒短縮×月20日で、1カ月あたり200秒(200円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
パレットや台車が、通路や作業エリアに無秩序に置かれていました。置き場が決まっていないため、そのときに空いている所へ置かれ、人や物の移動の妨げになっていました。
通路は、毎日だれもが何度も行き来する場所です。ここが塞がると、遠回りやよける動きが増えるだけでなく、つまずきや接触といった安全面の心配も生まれます。

改善内容(After)
パレットや台車の配置場所を見直し、通路を確保しました。現場の動線に合わせて置き場を決めたことで、スムーズに移動できるようになっています。
改善報告の試算では、移動にかかる時間が1日平均10秒短縮され、月20日で1カ月あたり200秒(200円)の削減です。

専門家コメント
改善前はパレットや台車が通路や作業エリアに無秩序に置かれ、移動の妨げになっていた状態を、配置場所を見直すことで通路を確保し、スムーズな動線を実現してくれた改善ですね。
全員にとって安全で快適な職場環境づくりにつながる、とても価値の高い改善です。問題に気づき、整理整頓を実行してくれたこと、本当にありがとうございます。
5S改善評価:合計56点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | C | 8点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 56点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:通路や作業エリアに無秩序に置かれていたパレットや台車を整理し、スムーズな動線を実現したことは、安全面・作業効率の両面で大きな成果といえる。特に「移動の妨げ解消」は、日常業務に直接的な影響を与える改善として評価が高い。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:「通路を確保するために置き場を決める」という考え方は5Sの基本中の基本ではあるが、現場ごとの動線に合わせて配置を見直した点には工夫が見られる。ただし、方法自体は標準的であり、B評価とした。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:通路や作業エリアを見直す作業は、関係者との調整や現地でのレイアウト確認など一定の時間を要するが、1時間前後で完了できる内容と想定されるため、標準的な難易度のB評価とした。
(4)清潔レベル:C(8点)
理由:現時点では改善が実行されただけで、「どうやってこの状態を再発させないか」の仕掛け(例:テープでの枠取り、表示など)がまだ導入されていない。再発を防ぐには、「誰でもわかる視覚管理」が不可欠。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:今のところ、ルールや標準化された仕組みが見当たらないため、再び通路が塞がる可能性がある。改善を維持・徹底するためには、「決められた置き場の表示」や「日々のチェックリスト」などによるルールの見える化が必要。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
この事例は、次の点をしっかり評価したいところです。
- 「通路が塞がっている」ことを問題として捉えた。毎日見慣れてしまうと気づきにくい状態に目を向け、実際に配置を変えました
- 現場の動線に合わせて置き場を決めた。専門家も、ここに工夫が見られると評価しています
- 成果がA(16点)。移動のムダが減っただけでなく、全員にとって安全で快適な職場づくりにつながる改善です
あと10点でAランク。清潔と習慣を上げる
合計56点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと10点です。清潔レベルをC(8点)からA(16点)へ、習慣(しつけ)レベルをC(8点)からB(12点)へ上げると、合計は68点になり、Aランクに届きます。専門家が挙げている「枠取りと表示」と「戻すルール」が、そのまま2つの項目を上げる道筋になっています。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | C(8点) | C(8点) | 56点 | B |
| 清潔を2段階、習慣を1段階上げる | A(16点) | B(12点) | 68点 | A |
「通路がまた塞がる」を、起きる前に防ぐ
専門家が次に考えてほしいとしているのは、この状態をどうやって「維持」するかです。置き場が決まっていても、それが目に見えなければ、忙しいときには近くの空いた所に置かれ、通路は少しずつ元に戻ります。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「通路に置かないよう気をつける」に頼らず、置く場所がはっきり見える形にします。
専門家は、次の方法を挙げています。
- パレットや台車の置き場を、テープで枠取りする
- 置き場に表示を貼り、何を置く場所かを示す
- 「決められた場所に戻す」ルールを、誰でも実行できるようにする
未然防止の視点で考えると、通路側にも「ここは通路、物を置かない」と分かる線や表示を付けておく方法があります(例)。置き場と通路の両方が見えていれば、置いてはいけない場所に気づきやすくなります。通路の幅や表示の方法は、安全に関わるため、設備・安全の担当者と確認して決めてください。あわせて日々のチェックリストで通路の状態を確かめるようにすれば、習慣(しつけ)も上がります。ぜひ次も現場の「困りごと」に目を向けて、改善を進めてください。次回の報告も楽しみにしています。
自社の通路で試すときの進め方(例)
この事例は、通路をふさいでいたパレットと台車の置き場を、現場の動線に合わせて見直した改善です。自社で試すときは、次の順番で進めると、置き場が決めやすくなります。ここに書く手順は、進め方の例です。この改善報告に書かれた手順ではありません。
- まず、通路と作業エリアの図を描き、人や物が動く道に線を引く。荷物を運ぶ道、人が歩く道を、図の上で確かめます。
- 次に、1日の中で、パレットと台車がどこに置かれるかを、数日間観察する。置かれやすい場所は、そこに置く理由がある場所です。理由を知ると、置き場を作る場所が決まります。
- 通路にならない場所に、パレットと台車の置き場を決める。使う場所の近くで、動線にかからない場所を選びます。置き場所(定置)、置く物(定品)、数(定量)を決めて、表示します。
- 通路側にも、「ここは通路」と分かる表示を付ける。置き場と通路の両方が見えると、置いてはいけない場所に気づけます。通路の幅や表示の方法は、安全に関わるため、設備・安全の担当者と確認して決めてください。
通路は、安全の問題でもある
通路がふさがる問題は、移動のムダだけでなく、つまずきや接触といった安全面の心配にもつながります。専門家の評価でも、全員にとって安全で快適な職場づくりにつながる改善として、評価されています。整頓で置き場を決めるときは、「取りやすさ」と同じくらい、「人が通れること」を基準に入れましょう。置き場に表示がないと、忙しいときには近くの空いた所に置かれ、通路は少しずつ元に戻ります。その後追いを減らす仕組みが、清潔の考え方です。
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