この事例は、プレス横に6種類のスペーサーを常備して探す時間を省いた整頓事例で、専門家評価はBランク(64点)。あと2点でAランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 整頓 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 治具/刃具(スペーサー) |
| 専門家評価 | Bランク(64点。Bは46〜65点) |
| 効果 | スペーサーを探す時間のムダがなくなり、プレス横に用意したことでセット時間が短縮。1日平均30秒短縮×月間20日発生で、1カ月あたり600秒(600円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
プレスの段取りでは、コモンプレートと同じ厚みのスペーサーが必要でした。そのたびに、同じ厚みのスペーサーを探さなければならず、探すのに時間がかかる状態でした。

改善内容(After)
必要な6種類のスペーサーを整理して用意し、厚みの表示やラベル付けを施したうえで、プレス機の横に常時配置しました。プレス横に用意してあるので、探しに行かずにセットできます。

専門家コメント
改善前はコモンプレートと同じ厚みのスペーサーを探すのに時間がかかる状態でした。そこで必要な6種類のスペーサーを整理し、厚みの表示やラベル付けを施したうえでプレス機の横に常時配置した改善ですね。
誰が見てもすぐに判別できる工夫は整頓の基本がしっかり押さえられており、とても素晴らしい改善です。ありがとうございます。
この改善で探す時間がなくなり、セット作業の効率も確実に上がったと思います。
次に考えてほしいのは、その状態がいつまでも保たれるための清掃・点検ルールの設定です。
スペーサーの汚れや摩耗、ラベルの剥がれなどが放置されると、せっかくの整頓も効果が薄れてしまいます。たとえば週に一度の点検日を決めたり、使った後は必ず元の場所に戻す仕組みをチェックリスト化するのも良いかもしれません。
ぜひ今回の改善を維持・発展させる視点で次なる改善にもつなげてみてください。あなたからのさらなる報告を楽しみにお待ちしています。
5S改善評価:合計64点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | B | 12点 |
| 合計 | B | 64点 |
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:探す時間がゼロになり、プレス機の段取り時間短縮に直結。ミス防止にも効果があり、現場全体の効率向上に貢献している。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:必要なスペーサーを種類ごとにまとめ、厚み表示とラベル化する方法は5Sの定番手法だが、作業機横への常時配置という動線短縮の組み合わせは良い発想。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:スペーサー整理・表示・配置は作業としては容易。ただし、ラベル作成や厚み測定などの準備は一定の時間と正確性が必要。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:現状はきれいで使いやすいが、ラベル劣化やスペーサーの汚れ・摩耗対策は未導入。点検・清掃ルールでA以上を狙える。
(5)習慣(しつけ)レベル:B(12点)
理由:「使ったら元に戻す」ルールが明示されていないため、維持力は人に依存する状態。チェックリスト化や当番制があれば習慣化レベルは向上。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計64点のこの事例は、Bランクの上位にいます。特に次の3点は、しっかり評価したいところです。
- 探す時間をゼロにした。必要な6種類を厚みごとに整理し、厚み表示とラベルを付けたことで、誰が見てもすぐに判別できる状態になっています
- 置く場所まで考えた。プレス機の横に常時配置し、取りに行く動線そのものを短くしています。段取り時間の短縮とミス防止に直結しています
- 成果がA(16点)。1日平均30秒の短縮が月に20日発生し、1カ月で600秒(600円)の削減という試算です。小さな時間を毎日積み上げた改善です
あと2点でAランク。清潔か習慣を1段階上げる
合計64点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと2点です。清潔レベルか習慣(しつけ)レベルのどちらかを、B(12点)からA(16点)に上げるだけで、合計は68点になり、Aランクに届きます。専門家が挙げた次の課題は、清掃・点検ルールと「使ったら元に戻す」ルールの2つです。どちらも、今の良い状態を保つための仕組みづくりです。
| 上げ方 | 清潔 | 習慣 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | B(12点) | B(12点) | 64点 | B |
| 清潔をAに | A(16点) | B(12点) | 68点 | A |
| 習慣をAに | B(12点) | A(16点) | 68点 | A |
「汚れ・摩耗・ラベル剥がれ」「戻し忘れ」を、起きる前に防ぐ
整頓した状態は、放っておくと少しずつ崩れます。ラベルが剥がれて厚みが分からなくなった、使ったスペーサーが元の場所に戻っていなかった、と気づいてから直すのは「後追い」です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて戻す」に頼らず、乱れが起きにくい形にすることを考えます。専門家の発展ポイントをもとにした案を、次に示します(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| ラベルが劣化・剥がれて厚みが分からなくなる | ラミネートや保護カバーでラベルを長持ちさせる |
| 汚れや摩耗に気づかない | 週1回の汚れ・摩耗チェックの点検日を決め、チェックリストにする |
| 使った後に元の場所へ戻し忘れる | 元の場所が一目で分かる配置図を掲示し、使ったら戻すルールをチェックリスト化する |
| 数が足りなくなっても気づかない | 定量(数量)を決め、欠品時の補充ルールを明確にする |
プレス機の周りに置く物の位置や固定方法は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。この改善は、「探す」から「すぐ使える」への転換がしっかりできています。維持の仕組みを加えて、Aランクを目指してください。
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