この事例は、ワークの平行出しを残材で作ったL型治具で一発にした清潔事例で、専門家評価はAランク(68点)。次の課題は、治具の名称の明示。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清潔 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 治具/刃具(ワイヤーカットの平行出し治具) |
| 専門家評価 | Aランク(68点。Aは66〜80点) |
| 効果 | 平行出しの時間のムダが減少。1日平均80秒短縮×月間20日発生で、1カ月あたり1,600秒(1,600円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
改善前は、テーブルの端面からスケールで、右、左、右、左と目盛を見て合わせていました。左右の端を交互に何度も測定して、ワークの平行出しをしていたため、時間がかかっていました。

改善内容(After)
L型の治具を、残材で製作しました。これにより、1回で平行出しができるようになっています。

専門家コメント
以前は、ワイヤーカットにおけるワークの平行出しを、左右の端を交互に何度も測定することで実施していた状況から、L字型の治具を作成して、平行出しを一発で可能にした改善事例ですね。
これまで手作業で実施してきた工程を治具化することで、品質面、コスト面、生産性面の大幅な改善が図られた素晴らしい事例です。しかも、残材を活用して材料費まで削減されていることは、特筆に値する改善事例だと感じました。素晴らしい改善提案をありがとうございました。
5S改善評価:合計68点(Aランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | A | 16点 |
| (2)改善の独自性 | A | 16点 |
| (3)改善の難易度 | B | 12点 |
| (4)清潔レベル | A | 16点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | A | 68点 |
16+16+12+16+8=68点で、Aランク(66〜80点)です。
(1)成果の大きさ:A(16点)
理由:1日80秒、1カ月で1,600秒の削減に加え、品質・コスト・生産性の3つの面で効果がある。残材を使うことで、材料費も抑えられた。「やや大きい成果」と評価する。
(2)改善の独自性:A(16点)
理由:手作業の測定を治具に置き換え、しかも残材で作った工夫。「やや発想が困難な改善」と評価する。
(3)改善の難易度:B(12点)
理由:L型の治具を残材で作るもので、大がかりな工事ではない。「標準的な時間でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:A(16点)
理由:左右を交互に測る「目盛の読み違い」や測定誤差の余地を、治具の形で構造的になくしている。誤差を「気をつけて防ぐ」のではなく、当てれば決まる仕組みにした点で、「発生源を抑え、再発しにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:治具を作って使う段階で、どの治具か分かる名称の表示や、置き場の決めが写真から確認できない。誰でも同じ治具を探し出して使う標準化は、これから。「徹底すべきルールを設定した段階」と評価する。
この事例を自社で真似する手順
以下は、この事例を参考にした一般的な進め方の例です。
- 段取りの中で、同じ測定を何度も繰り返している作業がないか確認する
- 測る代わりに、当てれば決まる形(この事例はL型)を、残材で作れないか考える
- 作った治具で、1回で平行が出るかを確かめ、改善前の時間と比べる
- 治具に、名称と用途を表示する
- 置き場所を決め、使ったら戻す場所が分かるようにする
Sランクに近づくための次の一歩
専門家は、写真を見る限り、作成した治具にどのような治具なのか明示がないようだと指摘しています。せっかく作った治具が、どこかで迷子にならないよう、明示をしてほしいとのことです。
- 治具に「ワイヤーカット 平行出し用」など、名称と用途を表示する(例)
- 置き場所を決め、置き場にも同じ名称を表示する(例)
- 使い方を写真つきで残し、新しく使う人でも迷わないようにする(例)
治具がなくなってから探す、また測り直す、という「後追い」を、迷子にならない仕組みで未然に防ぐのが、次の一歩です。表示と置き場が決まれば、習慣(しつけ)レベルが上がり、Sランクが見えてきます。名称の表示は、誰が見ても同じ治具を選べるようにする標準化の入口でもあります。
関連する5S活動の事例
治具・ゲージやバリ取りに関する事例です。

