この事例は、加工油よけにコントローラーへ巻いていたラップをゴミ袋に替えた清掃事例で、専門家評価はBランク(46点)。油よけの作業が15秒から1秒になった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清掃・清潔 |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 設備(コントローラーの油よけ) |
| 専門家評価 | Bランク(46点。Bは46〜65点) |
| 効果 | ラップで巻くと15秒かかっていた作業が、ゴミ袋で1秒に。月1回の作業で1回14秒、年168秒、168円の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
金属加工のときに出る加工油が、設備のコントローラーに付着するのを防ぐため、コントローラーをラップで巻いて保護していました。加工油が付くと、故障の原因になり、清掃の手間も増えるからです。
ただ、ラップで巻く作業には1回15秒かかっていました。月に1回の作業とはいえ、毎回同じ手間が繰り返されていました。改善報告では、この作業を段取りの時間として短縮しています。

改善内容(After)
油よけの材料を、ラップからゴミ袋に変更しました。ラップで巻くと15秒かかっていた作業が、ゴミ袋では1秒で済むようになりました。1回あたり14秒の短縮で、月1回の作業として年168秒、168円の削減です(改善報告の試算)。
コントローラーを加工油から守るという目的はそのままに、手間だけを減らした改善です。

専門家コメント
改善活動、ありがとうございます。
今回の改善は、金属加工時に発生する加工油がコントローラーに付着するのを防ぐために、「ラップ」から「ビニール袋」へ変更したという取り組みですね。
ラップやビニールには、加工油の付着による「故障の原因」や「清掃の手間」を防ぐ役割があります。さらに、ビニールラップを3重に巻くことで、より効果的に汚れや故障を防げるのも良い工夫です。
今回の対策は、一度の改善にとどまらず、さらに発展させた点が素晴らしいと思います。改善活動は一度きりで終わりではなく、継続的なブラッシュアップが重要です。その姿勢は、大いに評価できます。
これからも、より良い改善を続けていきましょう!
5S改善評価:合計46点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | C(成果がややもの足りない) | 9点 |
| (2)改善の独自性 | B(標準的に発想ができる) | 11点 |
| (3)改善の難易度 | D(数分でできた) | 5点 |
| (4)清潔レベル | B(同じ状況なら再発が起きにくい) | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C(ルール未整備) | 9点 |
| 合計 | B | 46点 |
(1)成果の大きさ:C(9点)
理由:1回の作業は15秒から1秒になり、手間は大きく減っています。ただし作業は月に1回のため、年間の効果は168秒(168円)にとどまります。コントローラーを加工油から守る役割は保ったまま手間を減らせた点を加味して帯の上側に置き、「成果がややもの足りない改善」と評価する。
(2)改善の独自性:B(11点)
理由:ゴミ袋は現場でなじみのある物で、発想そのものはシンプルです。一方で、専門家は、一度の改善にとどまらずさらに発展させた点を高く評価しています。帯の下側として、「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:D(5点)
理由:改善報告に作業の記載はありませんが、油よけの材料をラップからゴミ袋に替える変更で、設備の加工や大きな工数は伴っていないと判断します。「数分でできた改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:加工油がコントローラーに付着する前に防ぐという、汚れと故障を起きる前に抑える考え方に立っています。一方で、加工油が飛ぶこと自体は残っており、袋の破れや交換忘れがあれば再び汚れます。「同じ状況なら再発が起きにくい改善」と評価する。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(9点)
理由:袋の交換頻度やかぶせ方の標準化についての記載はなく、ルールは未整備です。ただし、専門家が「継続的なブラッシュアップ」の姿勢を評価しているとおり、改善を重ねる習慣が見える点を加味して帯の上側に置く。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計46点のこの事例は、Bランクの入り口にいます。それでも改善の中身には、しっかり評価したい点があります。
- 月に1回の小さな手間を見逃さなかった。15秒の作業は、毎日の作業に比べれば目立ちません。それでも「もっと楽にできないか」と考え、1秒まで縮めました
- 目的を変えずに、やり方だけを変えた。コントローラーを加工油から守り、故障と清掃の手間を防ぐという役割は、そのまま残しています
- 一度の改善で終わらせなかった。専門家も、さらに発展させた点と、継続的なブラッシュアップの姿勢を大いに評価しています。これは5Sを続ける現場にとって、いちばん大切な力です
あと20点でAランク。習慣と清潔を上げ、横展開で成果を広げる
合計46点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと20点です。1つの項目だけでは届かないため、次のように3つの項目を上げることを考えます(試算の例)。
| 上げ方 | 上げる項目 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | - | 46点 | B |
| 袋の交換日・かぶせ方を標準化し、周知・点検まで行う | 習慣 C(9点)→A(17点) | 54点 | B |
| 加工油の飛散そのものを抑える未然防止の仕組みを作る | 清潔 B(12点)→S(19点) | 61点 | B |
| 同じ油よけを使う他の設備へ横展開する | 成果 C(9点)→A(14点) | 66点 | A |
どれも今回の改善の延長線上にあります。まずは習慣からです。
「コントローラーが汚れる」を、起きる前に防ぐ
今回の改善は、汚れたコントローラーを後から拭く「後追い」ではなく、汚れる前に袋で守るという点で、すでに一歩進んでいます。ただ、袋が破れたり、交換を忘れたりすれば、また汚れが付きます。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「気をつけて袋をかぶせる」に頼らず、構造や表示、手順で防ぐ形を考えてみてください(例)。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み(例) |
|---|---|
| 加工油がコントローラーの方向へ飛ぶ | 加工部の側に飛散を抑える遮へい板やカバーを付け、油が届かないようにする(例) |
| 袋の破れ・ずれに気づかない | 袋の状態を日常点検の項目に入れる(例) |
| 袋の交換を忘れる | 月1回の交換日を決め、コントローラーの近くに表示する(例) |
| 人によってかぶせ方が違う | かぶせ方と固定方法を写真付きの標準書にして、他の設備にも展開する(例) |
遮へい板の取り付けや、操作部・熱や回転部の近くに袋を使うことは、設備と安全に関わります。設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。
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