この事例は、ドリル台にキャスターを付けて台の下を掃除しやすくした清潔事例で、専門家評価はBランク(52点)。あと14点で、Aランクに届く。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 改善の種類 | 清潔(清掃のしやすさ) |
| 改善場所 | 工場 |
| 改善対象 | 設備(ドリル台) |
| 専門家評価 | Bランク(52点。Bは46〜65点) |
| 効果 | ドリル台の下が掃除しやすくなった。1日平均4秒短縮×月間20日発生で、1カ月あたり80秒(80円)の削減(改善報告の試算) |
改善前の状態(Before)
ドリル台は、床に直接置く「ベタ置き」の状態でした。台の下や裏側には切削屑(キリコ)やホコリが溜まりやすいのに、奥まで手が届かないため、清掃が難しい状態でした。

改善内容(After)
ドリル台の足元にキャスターを取り付けました。台をサッと動かせるようになり、台の下が掃除しやすくなりました。

専門家コメント
ドリル台の足元にキャスターを取り付け、移動可能にすることで清掃性を格段に向上させた、素晴らしい改善事例ですね。
【ビフォー】の状態では、ドリル台が床に直接「ベタ置き」されていたため、台の下や裏側に切削屑(キリコ)やホコリが溜まりやすいにも関わらず、奥まで手が届かないため清掃が困難な状態でした。
今回、【アフター】のように足元に台車(キャスター)を取り付けたことで、ドリル台をサッと動かして「台の下が掃除し易くなった」という見事な効果が出ていると感じます。機械周りの清掃のハードルを下げ、日々のクリーンな作業環境づくりに直結する素晴らしい工夫ですね。
現場の小さな「掃除のしにくさ」を見逃さず、キャスター化で解決されたアイデアと行動力が大変素晴らしかったです。改善活動お疲れ様でした。
さて、今後のさらなる改善に向けてですが、動かせるようになって清掃性が劇的に向上しましたので、ここからさらに一歩踏み込んで「安全性の確保と定位管理」を検討していただければと思います。
キャスター付きの台は動かしやすくなった反面、作業中の振動で勝手に動いてしまったり、元の場所からずれてしまう可能性があります。そこで、さらにここから踏み込んで、次のような対策を取り入れてみてはどうでしょう。
- 作業中や不意に接触した際に動かないよう、ストッパー付きキャスターへの変更や輪留めの設置を行う。
- 清掃後に元の場所へぴたっと戻せるよう、床面に黄色いテープなどでドリル台の「定位枠(アドレス)」を描いておく。
「動かして掃除しやすくする」の次は、作業中の安全と元の場所へ確実に戻せる「安全・定位管理」へ。より安全で快適な現場を目指して、ぜひもう一工夫を加えてみてください。引き続き頑張ってください。さらなる改善事例をお待ちしております。
5S改善評価:合計52点(Bランク)
| 評価項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| (1)成果の大きさ | B | 12点 |
| (2)改善の独自性 | B | 12点 |
| (3)改善の難易度 | C | 8点 |
| (4)清潔レベル | B | 12点 |
| (5)習慣(しつけ)レベル | C | 8点 |
| 合計 | B | 52点 |
(1)成果の大きさ:B(12点)
理由:台の下が掃除しやすくなり、清掃にかかる時間は1日平均4秒短縮(月間20日で80秒、80円の削減。改善報告の試算)。数字は小さいものの、日々の作業環境づくりに直結している。「満足のいく成果」と評価する。
(2)改善の独自性:B(12点)
理由:「台にキャスターを付けて動かせるようにする」は、現場でよく使われる手法。ただし、現場の小さな「掃除のしにくさ」を見逃さずに、移動という形で解決した点に工夫がある。「標準的に発想ができる改善」と評価する。
(3)改善の難易度:C(8点)
理由:ドリル台の足元にキャスターを取り付ける内容で、大がかりな設計や加工は必要としない改善。「そんなに時間をかけない改善」と評価する。
(4)清潔レベル:B(12点)
理由:台を動かして掃除できるため、台の下に屑やホコリを溜めたままにしにくく、同じ状況なら再発が起きにくい。一方で、屑が溜まる原因そのものを抑える段階や、台が動いてしまう不具合を防ぐ仕組みまでは、まだ及んでいない。
(5)習慣(しつけ)レベル:C(8点)
理由:キャスターの取り付けという物理的な改善は行われているが、ストッパーの使い方や、清掃後に台を戻す位置のルールは、まだ決まっていない。徹底すべきルールを設定する段階にある。
評価できる点と、Aランクに近づく次の一歩
評価できる点
合計52点のこの事例は、Bランクの中ほどです。次の2点は、しっかり認めたいところです。
- 「掃除しにくい」を、頑張りに頼らず構造で解決した。奥まで手を伸ばす努力ではなく、台のほうを動かす形に変えた
- 現場の小さな不便を見逃さなかった。切削屑(キリコ)やホコリが溜まりやすい場所に気づき、行動に移した
あと14点でAランク。習慣と清潔を上げる
合計52点のこの事例は、Aランク(66点以上)まであと14点です。専門家が挙げた「ストッパー」と「定位管理」は、習慣(しつけ)レベルと清潔レベルを上げる材料になります。習慣をC(8点)からA(16点)に上げると+8点、清潔をB(12点)からA(16点)に上げると+4点で、合計は64点。あと2点足りないので、成果の大きさもB(12点)からA(16点)に上げられれば、合計68点でAランクに届きます。
| 上げ方 | 点数の変化 | 合計 | ランク |
|---|---|---|---|
| 現在 | 習慣C(8点)・清潔B(12点)・成果B(12点) | 52点 | B |
| 習慣をAに | 習慣A(16点)で+8点 | 60点 | B |
| さらに清潔をAに | 清潔A(16点)で+4点 | 64点 | B |
| さらに成果をAに | 成果A(16点)で+4点 | 68点 | A |
「動いてしまう」「戻らない」を、起きる前に防ぐ
キャスター付きの台は、動かしやすくなった反面、作業中の振動や不意の接触で動いたり、元の位置からずれたりします。起きてから「また動いた」「戻し忘れた」と直す後追いではなく、起きない仕組みにするのが未然防止です。清潔レベルの最高位は「問題を未然に防止できる仕組み」です。「動かさないよう気をつける」に頼らず、構造・表示・手順で防ぎます。
| 起こりうる不具合 | 未然防止の仕組み |
|---|---|
| 作業中の振動や接触で、台が勝手に動く | ストッパー付きキャスターへの変更や、輪留めの設置(専門家のアドバイス) |
| 清掃後に、元の場所からずれる | 床面に黄色いテープなどで、ドリル台の「定位枠(アドレス)」を描く(専門家のアドバイス) |
| 清掃後に、ストッパーのかけ忘れが起きる(例) | 清掃の手順に「台を定位に戻し、ストッパーをかける」を入れ、終わりの確認項目にする(例) |
| 台の下に屑が溜まる原因が残ったまま(例) | 屑が台の下に落ちにくい形を考える。溜まる場所と量を見て、改善の次の題材にする(例) |
設備や安全に関わる変更は、設備・安全の担当者と確認しながら進めてください。
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